FGノットをより強力にする方法



少し遅れましたが新年明けましておめでとうございます。


去年までの数年間、アメブロとfimoでブログを書いていましたが、今年からはこの場所に統一して装い新たに書き続けていきます。

昔からアタシの記事を知っていただいてる方、また新たにこのブログを見つけていただいた方々ともに今年もよろしくお願いします。


長年やってたバスフィッシングの記事は今年も少なめになるかもしれませんが、どのような釣りであれここを見ていただいた方が何かを思っていただけるような場所にしたいと思っています。


さて新年一発目は以前書いた記事を書き直してみました。

今回はいつもにも増してごじゃっと書いてますので一応ガイド的なのを。

  • PE4号、ナイロンリーダー100ポンド(30号)という特殊?なセッティング
  • FGノット、SCノットともに50%程度の強度しか出ていないのが悔しすぎた
  • FGノット、SCノットの弱点を特定
  • PRノットは器具が必須という条件がイヤだったので却下
  • ミッドノットは相当な慣れが必要だと思ったので却下
  • 捨て糸を編み込むFGノット「改」を発案、とりあえずは暫定でGo


特にソルトの釣りで多用されるPEライン。メインラインをPEにしてリーダーを組み込むのが一般的です。

こういった自身がやられてるラインシステムを実際に計測して見られた方ってどれくらいいらっしゃるでしょう?

失礼な言い方ですが、2~3kgくらいのサカナを釣るくらいならラインシステムの強度は実測するような手間をかけなくてもいいと思います。


が、それを遥かに超えるようなサカナを相手にしていく…というのであれば、ラインシステムを含めたタックル全体のトータルセッティングはかなり重要になると感じています。


去年の秋にふとしたことがあってラインシステムの再構築を余儀なくされ、その時に思いついてテストし続けているPEとリーダーの結束を紹介します。


お役に立てば幸いです。

アタシのPEとリーダー結束遍歴


もともとアタシがPEとリーダーの結束を覚えたのはオフショアで釣りしてた頃なので、2007年くらいからになります。


当時のラインシステムはジギング用のPE2号(8本縒りで表記は32ポンドくらい?)にフロロリーダー40ポンド。


これをFGノットで結束して、陸上での結束部の破断数値は9.5キロというものでした。


切れるのは必ずノット部の編み込み部分真ん中で、数値的には 9.5kg ÷ (32ポンド×0.45kg) = 66% くらいの結束強度。

当時使ってたステラSWの6000番で掛けていたドラグ値は約4~5kg。


併せて使ってたロッドの表記ドラグマックス値が7kgまでだったために、どんなに掛けても9.5kgまではいきませんでした。


船から近海のサカナを相手にするのにはこの程度でも充分だったので、それ以上を追求することがなかったのです。


が、現在狙ってる謎のサカナはその時の結束程度の技量では全く歯が立たず。


今から3年くらい前に、謎のサカナ狙いで使ってるラインシステムを測定してみました。


PE4号(60ポンド)にフロロリーダー80ポンドを従来通りFGノットで編み込んで計測してみたら…


なんとなんと…50%くらいの強度(12~3キロ)しか出なかったのです。


使ってるリールはグラップラー300やカルカッタ300、ドラグマックス値は7キロ。


リールのドラグマックス値をとりあえず置いておいたとしても、もし指でスプールロック掛けてでも止めんとアカン場面に遭遇したら?


ライン持って持ち上げなアカン場面に遭遇したら?

ちなみにスプール食い込みでのラインブレイクなどは置いといてこれは理屈上の話です。


たかが12kg程度のドラグ値ではとても安心できない…それからFGノットをやめてSCノットに切り替えてやってました。


その時に強度測定したかどうかは定かではないですが少ないながらも釣果は出て、また、根掛かりして55ポンド(約24.75kg)のスプリットリングを伸ばして回収したこともあって、ここ数年はSCノットを続けていました。


まさかのラインブレイク


去年秋、この辺のフィールドで見えるサカナではそれなりの85クラス。


いつも食わんかったヤツだったけどふと思いついてアプローチしてみると…


薄暗い中を泳いでくるスイムベイトに突進し、水中からボンっと音をさせて食って、首振りながら走り出した。


その時にガチガチに締めたグラップラーのドラグが出る前にPE4号のメインラインがブレイク…


感覚的には7キロくらいの負荷で切れたのが悔しすぎて原因を突き止めることにしたのです。


その時のブレイクはメインラインの劣化だったと感じましたが、検証中に気になったのが結束部の強度です。


この数年やってたSCノットを改めて計測してみると、今までのFGノットと同程度かそれ以下しか強度が出ずに10kgくらいで破断してしまう…


SCの結束方法を変えた記憶はなく、このような強度では不安過ぎて釣りにならない。

 

それから丸1週間に渡ってPEとリーダーの結束をテスト、普段使ってるPE8本縒り4号の60ポンド表記にリーダーはナイロンリーダー30号の100ポンド。


FGノットは編み込み回数を5~15回までいろんな編み方を試しながら何度も、SCも同じように仕事に行く前と帰ってきてから釣りにも行かずに一週間ずっとやりました。


一週間のテストから分かったこと



まずPE4号という中途半端な太さのライン100ポンドくらいの「ナイロンライン」を結束するのは、本当に難しいということ


もっと太いPE、もっと細いリーダー、それもフロロであるなら強度はもう少し出たと思います。


例えばPE6号にフロロリーダー100ポンドや、PE4号にフロロリーダー60ポンドとかならもっと強度のパーセントは上がったのではないか?と感じました。


なぜアタシのやり方で強度が50%程度しかいかなかったのか?これは荷重によってメインラインが動く(ズレる)ことによる摩擦、またはすっぽ抜けが主な原因だと判明しました。

これはひとえに結束時の締め込み不足が原因です。

なぜならナイロンラインは柔らかいために、荷重によるPEラインの締め込み部分が絞られて細くなるなどの激しい変形が発生し、それによりPEのメインラインがズレて摩擦、またはすっぽ抜けが生じブレイクしていました。


しかし、結束時には感覚的に7キロくらいは掛かってる力で締めこんでいたので、それ以上のことを現場で、しかも素手でやるのはしんどいぞと。


こうなったらPRノットしかないのか…と思いましたが、PRノットはボビンが不可欠。

忘れ物や紛失がやたらと多いアタシは、可能な限り現場にモノを持って行きたくなかったので避けたい結束方法でした。


どうにか道具を使わずに最低でも60ポンドラインの70%くらいの引っ張り強度(18kg以上)を出したい…と他のノットも含めてひたすら編みまくってました。


しかし結果は「フツーの編み方やネットで見たようなノットを自分でやっても達成は不可能」という残酷なことに。


何度やっても15kgくらいまでが限界で、諦めようか?とも思いましたが、しつこいだけが取り柄のアタシ。


ひたすらにやり続けて、ようやく解決の糸口が見えたのが思いついてやってみたFGノット改でした。


FGノット改の強度は?


やぶれかぶれでやってみたFGノット改。

体重18kgの息子に協力してもらいぶら下がってもらうと…宙に浮いた!!


これで静荷重18kgはクリア!!
これでメータークラスの重さには耐えられる…


その時の結束の画像がコチラ

流石に汚すぎ、どんなに強くてもコレはアカン。


そこでそれからさらに工夫してようやくどうにか見える外見と強度になったのがコチラ。

静荷重は約20キロで60ポンドラインの7割を達成、めちゃ苦労しました。


FGノット改の編み方


このノットに関して、机上では充分な検証をしましたが現場レベルではまだまだテスト期間が必要と思ってますので、その辺を了承のうえでご覧いただければと思います。


まずは使い古したPEを用意します。

これは8本縒りの2号ですが、4本縒りが摩擦力が高いのでベストかもしんない。

それをリーダー(透明)にハーフヒッチ?真結び?で仮止めし、FG編みやすくするためにリーダーの端(透明)と捨て糸(黄色)を揃えてカットして通常のFGノットを編み込んでいきます。


ちなみにFGノットの編み方ですが、上記の青色のラインがメインラインで、アタシはこの方式で編んでます。


これとは違うやり方で編みこんでいく方が強度的に優れるかもしれませんが、アタシの結束は基本的に「現場でスムーズにできること」をかなり優先してますので、このような編み方をしています。


で、今回の編み込みは7セットでいっています。

こんな感じですね。

ここから捨て糸(黄色)を処理していきますが、ここでハーフヒッチでの仮止めはしてもしなくてもいいです。


今回の画像はハーフヒッチしてませんがいつもはしています。


捨て糸(黄色)の処理ですが、結束部を充分湿らせて捨て糸を端の方から引っ張っていきます。

画像では左の方に引っ張っています。手で無理なら噛んで引っ張っても大丈夫。


で、処理できたら下の画像のようになり、捨て糸(黄色)はキチンとFGの先端で止まりますのでご安心を。

画像上側がリーダー先端部、下側が結束部。

黄色の捨て糸が青色のメインライン部先端で止まってるのが確認できますか?


捨て糸の処理前にハーフヒッチをしてなければここでハーフヒッチを、していれば強めにハーフヒッチ部を締め直しして、それから本格的に締め込みます。


アタシは左手にメインライン、右手にリーダー、口でメインライン端糸を噛んで三方から締めます。


そしてノットの形を整えてから黄色の捨て糸をカット。

アタシは今回のようなある程度の太さのラインシステムになってくると、ラインをカットするのはホームセンターに数百円で売ってる小型ニッパーを使ってます。


釣り場で忘れてきてもダメージ少ないから、忘れ物、落とし物が半端ないアタシでも大丈夫。

ちなみに去年はダイワのスーパーギャフ2本釣り場に忘れてきたよ!! 当然誰かが拾っていったでしょうね!!


これで捨て糸はほぼ見えなくなりました。

そしてあとは好きなだけ、ご自分の流儀でハーフヒッチをやってください。

当たり前ですが最後のハーフヒッチはいらない摩擦を避けるためにゆっくり、だけどキッチリと1回1回締めていきます。



ハーフヒッチ何回かしてからリーダーの端をカットしますが、この時アタシは焼きコブ作りません。


何故か?現場での手間を減らすため、です。



現場に行くまでに前もってやる場合は焼きコブ作る時もあるけど、焼きコブをしなくても必要な強度が出せるように…そんな感じでやってます。


代わりに、先に書いたニッパーでリーダーを潰しながらカットして最低限の抜け止めにはしてます。


これで完成、PE8本縒り4号60ポンド、ナイロンリーダー100ポンドというシステムで、陸上実測強度18~20キロ、メインラインの強度の7割ほどの強さは担保できています。


アタシはスペック至上ではありませんので数値にはこだわりがあまりなく、今回もタックルのトータルセッティング的に結束部に弱点を作らないように…との考えからやった次第ですので、完璧なノットを目指すという感覚ではないというのをご理解いただければと。


ネットのライン強度測定記事は参考にならない場合がありそう


ネットで検索するとラインの結束強度を計測してる記事が出てきます。


この時も色んなブログを参考にさせてもらいましたが、ふと疑問が発生したのです。

ああいった記事で使用しているラインは基本的にPE2号くらいまでの細い糸が多く、それ以上の太さになるラインを使ったり、PEラインの太さに対して推奨されるリーダーの太さを超えるセッティングをするならああいった記事は役に立たない可能性がありました。(ごめんなさいね、悪気はありませんので)


こういったことでも自分で試すことで自信になります


今回のテストはマジで心折れそうになりましたが、システムを自身で試行錯誤して暫定とはいえ想定の数値が達成できたことへの安心感は大きな成果でした。


本当にデカいサカナ狙うならこういったこともおろそかにはしたくないなと感じています。


そして「そんなことせんでもノーマルの結束で強度でるよ!!」って方がいれば、ぜひとも教えていただきたいと思います笑


さ、明日は初釣りでバスでも狙いに行ってきます~。