前の記事ではティップランにおける基本的なポイントの選び方を書きました。
今回はそこからもう一歩踏み込んだ「一日の中で釣れるスポットを見つけていく方法」などを書いてみます。
ティップランにおける場所の見つけ方 前編
- 見つけた場所がいいか悪いかは「タックル」に判断してもらいます
底取り、ライン管理、ジャーク、バイト感知、フッキングとランディング、すべてをキッチリとこなしていきましょう - 特に底取りとアタリ感知は確実に
- ティップランだからと言ってティップを見る必要はナシ、アタリは手で感じましょう
- 一番大事なのは潮噛み感、抵抗感です
一連の動作はしっかりと確実に
釣れそうな場所を見つけました。
そこが実際にその瞬間、釣れるかどうか?
目で見えます?魚探に映ってます?分かりませんよね。
となると答えは「エギを含めたタックル」に探してもらうしかありません。
ティップランという釣りは、食い渋るイカをテクで食わせるような釣りをしても全く面白くありません。
アタシそんなイカ釣るテクないしね。
如何に活性が高い場所を見つけて連発させるか?
ティップランの魅力はそこに集約されていると思います。
ならどうするか?
答えはシンプルです。
素早くエギを底まで落として、根掛かり等させない確実な底取り、ライントラブル等がないようライン管理、イカに気付かせるためしっかりジャーク、違和感なく抱かせられるようキッチリとポーズ、アタリをちゃんと取ってしっかりとフッキング、そして確実なランディング。
この一連の動作を如何に無駄なくやり続けられるか?です。
が…これねぇ、意外とできない人多いのですよ。
底取りを手間どるとか、ライントラブル頻発だとか、アタリ取れてないだとか…
こういった基本的な動作を無駄なくやり続けられるか?
この考えはルアーフィッシングで「リズムの釣り」と言われています。
まるで機械のように決めた動作を繰り返して自分の釣りに合うサカナに近づいていくか?
まずはこの無駄のない基本動作を身につけましょう。
特に底取りとアタリ感知は確実に
ティップランで難しい?と感じられてるっぽい要素は
「底取り」と「アタリ感知」ですね。
アタシは全くもって問題なくやれます。
ってか、長年ルアーやってる人にとってこの辺は全然難しい釣りではなく、むしろ癒しの釣りと言っていいくらい楽しい釣りです。
アクションは気にしないでください。
ジャークの強弱、巻き上げるタナなど散々試しましたが差が出たことは少なかったです。
底取りは慣れるまで頑張れ。
これが意外とできない?アタリ感知。
本当にできない人多い気がします。
だってね。ティップランのアタリって必ずライン張ってる時に出るのが基本なので、アタリが取れないなんてことは本当はないのです。
アタリ感知は手元で
ティップランの語源はアタシが説明するようなものでもないですが、意外と多いのが「ホントに穂先(ティップ)を見てアタリを取ろうとされてる方」
なかなかこれは難しいですよ。
だって、船って揺れますやん。
ティップ柔らかいですやん。
ライン張ってますやん。
ティップが波でユラユラしちゃうから、ティップの揺れ具合が波の揺れなのかアタリなのかは分かりにくいですよ。
アタシはティップ見てアタリ感知とかムリ…
他の釣りと同じく、竿(ライン)から伝わってくるアタリを手元で感じましょう。
当たり前すぎますけど、ちょっと書いてみました。
ちなみにアタリで一番多い感触。
「ファッ」という感覚でポーズしたエギの抵抗感(竿に掛かってきてるエギの重み)が一気に消えるアタリです。
他にも「…グーン!」と一気に重く抑え込まれたり(デカいのはコレが多い)、「ツンツン」、「モサモサ」とか色々あります。
前述した 「ファッ」と急にテンションがゆるむようなアタリだと分かりやすいですが、水温が下がってきたり、荒れ模様だったりすると、アタリが分かりにくいので工夫が必要ですね。
アタシ的な一番のキモ「抵抗感」
先に書いたように、良さそうなスポットに到着。
汚い絵でさーせん…
ポイントを上から見た図です。
前回の記事に書いたように、ポイントや釣れる傾向を一番搾りやすいのはこのような海底が山のようになった地形です。
ここでの船の流し方は、絵では矢印のように船が下のほうに流れていくとして、①に船をつけて流し始めます。(慣れたらいきなり核心部を通る②か③のラインですね)
そしてエギを落として底取り、ライン管理してキッチリジャーク、そしてキッチリポーズ。
そしてコレがティップランで最も大切な要素になります。
ジャーク後の時に「ポーズしたエギ(ライン含む)にかかる抵抗感」を覚えておくことです。
言い換えると「ポーズ時にティップに掛かるエギやラインの重さ」のことね。
抵抗が少なければ流れが弱いか、船と同じ方向に流れてる可能性が高く、抵抗が大きくなるほど流れが速いか船と逆方向へ流れてる可能性が高いです。
これである程度の潮の速さや潮の方向が分かります。
船が流れすぎる場合はやりにくいので、流れすぎない状況を選ぶようにしましょう。
そこでその時に運良くアタリがあったら、その時のエギの抵抗感を絶対に忘れたらアカンです。
そして釣れたあとは同じ抵抗感のスポットを徹底的に探すようにします。
その抵抗感の場所は高確率で潮が通してる可能性が高いです。
で、次にその抵抗感の場所(潮が通してるスポット)がどこからどこまでなのかを絞り込んでいきます。
やり方は、初めに通した場所から少しどちらかの横方向にずれて、釣れたのと同じ抵抗感があるスポットをどんどん探していくと、抵抗感が変わる場所が潮の流れが変わる場所です。
こんなカンジで絞っていくと、例えば今の時間は
①から②の間のCからDの間が一番釣れやすいな、みたいなカンジで、けっこうはっきりと釣れる場所が絞れることが多いです。
これでどんどん良さそうな抵抗感の場所だけを絞り込んでいきます。
潮の流れは刻々と変化してくので、絞り込みの時間はできればひと流しは15分くらいでその1エリアの絞り込みは1時間以内にできるのがいいですね。
で、(抵抗感の違いで)潮が変わってきたのが確認でき、イカのアタリが減ってくるとどうするか?
同じエリアの他のスポットに釣れていた抵抗感と似たスポットがなければ、他の場所で同じ作業をすると上手くいけばまた釣れてくれます。
このやり方は抵抗感の違いでイカが好む抵抗感(潮の流れ)を探していくんですね。
Don’t think. Feel.
「潮はこう流れてこうブレイクに当たってるから、ここが良いんじゃないか?」ってアタマで考えても、広大な海の前では意外と上手くいきません。
少なくともアタシは。
しかし前述の「エギにかかる抵抗感の違いで釣れる場所を探していく」という方法は、実績や流れがどうであれ、その時の状態にアジャストいける方法です。
他の方は当たり前にできてるかもしれませんが、アタシはどうしても頭の中で考えながら釣ろうとしてました。
小さな野池でバスを狙うならいざ知らず、相手は途方もなく広がる大海原。
アタシ1人のちっぽけなアタマでは、その中の複雑な海流が読めるはずもなく、とにかく探しながらの釣り。
これが自分の中できちんとできるようになると、初めてのエリアでもイカを追いかけて行けるようになりました。
前編・後編 まとめ
長々書きました。
ここまで見ていただければ本望です。
間違いなく釣れます。
釣れなかったら一緒に船乗ってください。
2022年の秋に5~6回ほど、久しぶりに自分で操船してティップランしてみまして、このメソッドは今もきちんと機能してくれることを確認しています。
現場でやっていくこと
まず、潮が通してそうなエリア(水深に変化があれば流れが発生しやすい)を探します。
次にそのエリアで釣るために動作を無駄なくしっかりこなし、そして、ジャーク後にポーズしたエギに掛かる抵抗感の違いをきちんと感じて、刻々と変わる海の状況の中でその時にイカが好む潮の流れを探し出し釣っていく…
これをひたすらに続けていくのです。
この釣り方(探し方)のメリットは…なんと言っても実績のエリアに頼らなくてもいいこと。
広い海、自分たちが知らないだけで、その瞬間ごとに素晴らしいスポットはまだまだあると思ってます。
そんな時に、疑似餌っていう高効率を求めた道具で、活性の高いイカをどんどん探していくのはエサ釣りにはない魅力と強みだと思ってるので、こういった釣りもアリかなぁと。
オマケ
最後にアタリが遠い時に使うワザ的なことと、カラーに関してです。
まずカラー。
アタシは全く気にしていません。
必殺カラーとかあるのか?って思われた方、さーせん。
カラー気にする前に、まずは釣りの各動作をきちんと意識しましょう。
それだけで、今まで取りこぼしていたイカを獲れるようになります。
次にアタリが遠い時のワザですが、コレは正真正銘の必殺ワザです。
ジャークしてポーズ、それで食わん時。
ステイしてるエギをそのままサオを水平にさびいて「スーッ」っとスイミングさせてください。
バスでいえばスイープに大きく竿を動かす感じ。
ティップランに3回行ったら1回はコレでないと当たってこんタイミングがあるくらい効くワザです。
ぜひお試し。
前編後編に渡ってけっこうな量で書き殴りましたが、皆さまが必要としてる情報はありましたでしょうか?
ティップランって釣りは、数多くあるルアーゲームの中でも、釣れだしたら相当楽しい部類に入る釣りだと思っています。
誘うタイミング、バイトさせるタイミング、掛けるタイミングを自分でコントロールできる釣りですからね。
爆釣してる時だと「今から食わせる(抱かせる)からね!いくよ!!…はい乗った~!」
っていうのができる釣りです。
是非とも釣りまくっていただければと思います。