ニシネルアーワークス エリー 115 シリーズ ERIE 115SD 115MD



カテゴリ ジャークベイト

長さ 115mm(4.5インチ)

重さ 115SD 19.6g / 115MD 20.6g (3/4オンス)

潜行深度 115SD 1.8m / 115MD 2.7m

フローティング(付属の外付け1.3gウェイトでシンキング)

販売メーカー ニシネルアーワークス


エリー史上初?○○用ルアーとしてのインプレ


アングラーとして純粋に嬉しいよね。尊敬する方が作ったルアーで大好きなサカナが釣れるってことは…


さて、今回は使い込み始めて約1年という長くはない検証期間でのインプレとなります。

さてさて、このルアーは発売から少し年月が経っており(115SDは2020年、115MDは2022年発売)、アタシは発売と同時に購入していたにも関わらず、このルアーを「全く使いこなせていません」でした。


何故か?ウデが悪いからだよ…というのは置いといてですね、自身が通うフィールド、徳島県内のバスフィールドではこのルアーの存在感から「持て余していた」というのが理由となります。


思ったよりもボリュームに富んだサイズ感、カラカラと派手に鳴るタングステンラトル、ヒラウチを伴ってかっ跳ぶダートアクション。

やたらとハイアピールで「ちょっとこの辺のフィールドでこのルアーの真価は発揮できないかな…」という感覚だったのです。


他のルアーを一例に出すとメガバスのワンテンよりも確実に存在感の大きさを感じ、純然たるジャークベイトと言いますか「どれだけ広範囲からジャークベイトの動きに反応するサカナを引っ張り出してこれるか?」というところに焦点を当てられた品なのではないかなと。


このルアーが作りこまれたのは確かアメリカ-カナダ国境付近にある五大湖やその一つのレイクエリーという広大な湖。総面積は約25,800k㎡!! 四国は約18,800k㎡…


そこを攻略するために生まれたルアーらしく、本来はビッグフィールドで使うことを想定したルアーだったんだろうなと使っていてそれを強く感じます。


ネットを検索してみると野池や小規模ダムでこのルアーを使われてる方がけっこういらっしゃるみたいですが、正直な話アタシは「ニシネルアーワークスの人気にあやかって無理矢理使ってるだけ」と思えてしまうのですよ。ゴメン、ひねくれてて…


とにかく小規模なフィールドで投げてると「狭い路地に迷い込んだ大型車」みたいな感覚になってきちゃうという、近年の日本を舞台に開発されたであろうルアーとは確実に違う使った感になります。


アタシは購入して使ってみたところ、早々にそういった先入観を持ったために何年も釣果はゼロ…

そんなんでインプレ記事書いていいの?ですが…四国に住むスケールのデカいあのサカナに対して、自分の中で2023年の秋から突如として猛威をふるうこととなったのです。


アングラーなら誰もが憧れるというサカナ。

アタシも例に漏れずで2016年から地元とお隣の高知県で狙い始めていたものの、まぁ本当に釣れませんでした。


理由はいくつかあって他の記事にも書いてますが、とにかく苦戦していたところに訪れた転機。

通っている高知のフィールドでの師匠『藤四郎さん』から、全然釣れないアタシに「○○でこの時間帯にジャークベイト投げたら多分釣れますよ~」と神のお言葉。


アタシは基本的に他の方に場所を教えていただくことはないのですが、その時はお言葉に甘えさせてもらって、その情報を元に釣りを開始することに。


ちなみにそのタイミング待ちの時間で持ってきていたジャークベイト数種を試してまして、持ってきてたエリー115SDを改めて使ってみたところ「んん?なんか気になる挙動があるな…使い込んでみるか…」とその夜、藤四郎さんから教わったエリアで投げてみたところ…


イキナリ釣れた。サイズこそ~80クラスまででしたが、数時間投げて7バイトの4本。

この釣果が多いか少ないかは分かりませんが、その時の状況的にムリヤリこのルアーで釣っていた気はせず。


これで調子に乗って次の週もそこに舞い戻って2本の釣果。

今まで釣れない時間をずーーーーーーーーっと過ごしてきたアタシにとって、短期間で複数本の釣果はかなり衝撃的なものでした。そしてそれをご教授いただいた藤四郎さんには感謝しきれません。


それから少し時間が経った2024年の春にバスを早々に切り上げて検証を始めたところ…


釣果は決して多くないものの、ちょこちょこと結果が。

まぁ、このサカナ相手とは言え、コレだけで「エリー最高!!」という軽はずみな言葉は開発者の方の歩んだ苦労を思うと口が裂けても言えませんが、アカメに対しては嫌われてはいないなと感じています。


エリー115シリーズの優位点


ルアーというのは同ジャンルの似た形状であっても「この銘柄は釣れるけどこれは釣れん!!」っていうのが結構ありまして、アタシがエリー115シリーズについて「このルアーは釣れる!!」とまで使い込むことはできてないので、使用上の特徴的な感想になってしまうことを付け加えておきます。


エリー115シリーズの優位点として、まずはフローティングモデルになっているため搭載するフックに少し自由度がある。というのがあります。


デフォルトのイチカワ カマキリフック♯5の重量は0.58g/1本×3。

アタシはここをフロントにがまのふかせスルルー18号(約0.8g)、リアにヤマシタの引縄針13号(約1.0g)のシングルフック2発仕様でセッティング、0.3gほどの重量増においても淡水層でスローフローティングで収まってくれています。


余談ですが、開発者の西根さん、このルアーに搭載するフックについて一般人には無理かな…というくらいの相当な検証をした上でカマキリフックにしたそうです。

なのに買った瞬間に自身のテキトーな理論の元にフックを替えてしまう…というのは「なんか…すいません…」って感じなんですけど、そこは許してくださいって思ってる。


アタシは画像のようにシングルフックに換装して余ったセンターフックハンガーにアウターウェイト(1.3g)を装着するというテキトーさ。

汽水でジャストサスペンドにこだわりだしたらキリないから、サスペンドにしたかったらライン張って止めるか、どうしてもって時はアウターウェイトカットしてます。


このアウターウェイトは、フロントフックハンガーに装着したら潜行深度が若干深く、アクションも大きめになり、リアに行くほど逆の作用となります。


そして、アタシのシングルフックスタイルはトレブルフックに慣れた方からすれば「掛かりにくそうな見た目…」と笑われるかもしれませんが、それを差し引いても「ヤラれない針」でなければ話にならんってのが自身の考え。


それでもたまにはこんな風に~80クラスまでであってもかかりどころが悪かったらやられます。

針は本当に悩む…


アカメ狙いとなるとフックを強じんなヤツに替えることが多いと思いますが、針を変えたとたんに浮力不足に悩む、アクション悪くなるとかってルアーが本当に多いのよ…


これはラインもそうで、自身エリー115シリーズはメインラインPE4号、ナイロンリーダー60ポンド(18号)、これに歯傷防止の絡み止めパイプ30センチほどを被せた、バス用のタックルからすれば「極太」なシステム、アカメ用としてはライトなタックルで使用しています。


さすがにただ巻きのアクションレスポンスはかなり落ちますが、ジャーキング時のダートアクションは全く問題なく。


開発者の西根さんいわく、マスキー(マスケランジ)相手にフロロカーボンリーダー130ポンド!!でジャークしても大丈夫なように作ったのだそう…

1オンス未満のルアーでこのようなラインシステムで使える銘柄ってそこまで多くはないのでは?と思っています。


ルアー自体の耐久性はどうか?アカメでは重要な点です。

現時点、邪魔な橋脚をエリーで破壊しようとしてぶつけてクラックが入ったことはありますが、85クラスまでのアカメを複数本釣ったくらいでは壊れずにフックハンガー(フックアイ)が少し曲がったくらい。


よく釣れるとされているルアーでも、強度が足りずにバイトだけでボディを割られる銘柄もあるらしいです。

ジョイクロは運が悪かったらバイトだけでリアボディもがれるというのは有名な話らしいです。なんちゅうサカナ…


最後に流れの中で使った時に出るルアーのとある挙動。

ゴメンね、ここまで書いてそれは隠すんかーい!!ですが、アカメが食ってきやすい特定の挙動があるような気がしていて、エリー115シリーズはそれがそれなりの頻度で出てくれているっぽく、その挙動をアングラーが把握しやすいのです。特にエリー115MD。

だからけっこうテキトージャークしてるだけでドッスン来るので、ウデのないアタシはこのルアーに助けられているのです。

この挙動は他のジャークベイトはけっこう出しにくい?いや、出ているかもだけどアングラー側がそれを「把握できにくい」気がするのです。


これはそういった挙動が出た瞬間にドッスンきた一本。


がしかし…本当は一番大切な要素である「ダートアクションの質」について、全然分かっとらん。

ジャークベイトってダートスピード、ダートする方向、角度、ロールの反転角、ダート時の抵抗感、ストップする時など瞬間瞬間の要素でよく釣れるか否かが分かれると思ってるものの、アタシそれらの詳細がまだ掴めていないため「エリーのここが釣れる!!」ってのはカケラすら分かってないのよ…

これは使い込んで自分なりの答えを出していきます。


参考までにこのエリーのアクションのさせ方。

ジャーキングってロッド操作を大まかに分けて2種類、ロッドを「グッグッ」とラインテンションをやや張り気味というか、竿を弾いてさらに押し込むようにジャークする方法と、「パンっパンっ」とラインテンションをキッチリと張って緩めてジャークする方法があると思ってます。


エリー115シリーズは後者、軽めのジャークでいいので、とにかくラインをちゃんと緩めた状態から「パンッ」と張るやり方が一番しっくりくるアクションを表現できます。

これは西根さんの動画でも解説されていたと思いますんで調べてみてくださいね。


2024年秋追記

この前の釣行では、上記のいわゆる「ルアーの能力で釣ってもらう」という、ルアーフィッシングならではのやり方が通用せず「アングラーがフルに操作しないと食わせられない」という状況に遭遇しました。

そういった状況では、正直エリーじゃなくてもいいのでは?って感じますよ…こんなこと書いたら身も蓋もないけどね。

そんな状況でも好きなルアー使いたいじゃん。

そんな中でもエリーは踏ん張ってくれましたよ。

良いルアーっすわ。


使っているロッドはバス用低弾性の7フィート、ノースフォークコンポジットのカスタムロッドっす。

エリー115シリーズ、バス用としては少し重めのジャークベイトになるので、キャスト時やジャーク時の自重に負けないトルク感を持った竿が必要かと思います。


あとは飛距離とキャスト精度の出しやすさですかね。

飛距離に関しては基本バスとかの淡水用なため、海用であるサイレントアサシンやセットアッパー、K2Fのように「いつでもぶっ飛ぶ!!」というのではありませんが、ストレスなく飛び、精度を要求されるピンへのキャストもやりやすく、アタシは上記タックルで40mくらいの飛距離が出てる感じです。充分だねこれで。

そして上記のソルトウォーター用のミノーは操作してると少し「重さ」があるのですが、エリーはめちゃ軽快に動いてくれ、自分的にこのルアーを巻いていると感じるある種の「軽さ重さ」というのは釣果に直結する気がしているので重要視しています。(セットアッパーの巻いた抵抗感は絶妙っす)


他には「バイトを誘発させる一撃性」というのもあるかもしれません。

エリーでの釣果は超ピンスポットで食わせた時もかなりありますが、少し広めのエリアでバイトしてくる時はある程度の距離から浮かせてる(追いかけてきてる)気がしました。


そして食ってくる時はけっこう一発で食ってきてる気がするので、エリーのアクションで少し離れた位置から追いかけてきて、バチっとスイッチが入って食ってくれてるような気がしています。


まぁ検証数として得たのは50~60バイト、釣果はまだ60~85クラスまでを20本くらいなので、確実に「こうだ!!」とは書けませんが、以上こうした優位点からアタシがアカメ相手にエリー115シリーズを使い込むようになったワケとなります。


他のジャークベイトと比較したアクションの差とかは…ゴメン、まだ解んない。

そもそもアタシ、ジャークベイトというジャンルは他のルアーと比べて使い込めてないのよ。


でもですね、アカメ相手にはルアーは水平姿勢がいい?ラトル音は嫌う?無視してもらって結構です。

それ用として発売されたルアーの中にはルアーから発せられる不自然な音をできるだけ無にするようなコンセプトのもあったと思いますが、現在アタシの見解は「そうじゃない戦略もあるのでは?」と、このルアーを使ってると感じます。


例えばダート後のワケの分からんポーズ姿勢でドッスン来たこともあるし、橋脚の下でジャークしてたら水中からラトル音聞こえてきて、「(ジャーク)カラッ (ジャーク)カラッ (・・・)カカンッ」「食ったやん!!」とかも経験あるからです。


こんなこともあって、フィッシュイーターを特に「ジャークベイト」で反応させる際に重要視する点は「そういった所」ではなく、ジャークベイトという機能を備えたルアーならではの要素で使うべきだと思っています。


え、解りにくい?

「緩急あるイレギュラーアクションにより捕食スイッチをONにする能力」です。


そういったジャークベイトのチカラに対して「リアクションバイト」と表現される方もいると思いますが、アタシはリアクションバイトなんて存在しないと思ってるのでご容赦ください。


ま、中には見えてるチヌのようにそばにライン落としたら逃げるような気難しいのもいますが、そうじゃない状態のサカナもちゃんといてくれてますので。

アタシのリアクションバイトに対する見解を書いた記事になります。


この辺のバス相手だけにはもったいない気がする


色んな方に申し訳ない書き方になりますが、国内でフロリダバスの血が入っている大規模なフィールド以外でこのルアーを使うのはもったいなく、バス用ルアーというよりも近年日本でも概念が浸透してきた「インショアルアー」というカテゴリになるのかもしれません。


言い方が悪くてゴメンね、このルアーはそんな「箱庭フィールド」でそこまで大きくないサカナ相手にするのはオーバースペックな気がするのです。(ちゃんと釣れるでしょうけど)


エリー115シリーズは開発の地であるレイクエリー等でバス以外にマスキー、パイク、トラウト、サーモン、ウォールアイなどの多目的魚種相手に渡り合っているとのことで、日本のフィールドでこのルアーの真価を存分に発揮できるフィールド、魚種は思ったより多くない気がしてるのです。


こういった感想から、上記で「ニシネルアーワークスの人気にあやかって無理矢理使ってるだけ」という失礼な表現をした次第です。すいません。


なので日本のフィールドにおいて、このルアーを存分に使えている方や使えているフィールドは「健全なフィールドで健全な対象魚が生息してくれており、掛け値なしに素晴らしいルアーフィッシングができている」と言って間違いないと思いますので、そういったフィールド、サカナは本当に大切に対峙していきたいものです。



このルアーの良好な操作性、80クラスまでのアカメに対するルアーのちょうどいいサイズ感、広範囲を手早く探れる展開の速さ、少し強いフックや少し太いラインでも機能してくれる余裕さ、壊されにくい耐久性、不満のないバイト誘発能力を鑑みて、これからも主力として使い続けていきたいと思っている素晴らしい品であり、皆さまが住む街、通うフィールドでもこういった「スケールの大きなルアーフィッシング」ができる可能性がありそうでしたら是非とも投げていただきたいルアーです。


最後に。

当ルアー、2024年の9月より値上げがあり定価は「税込み2,860円」という、その価値を知っていないと躊躇するスゲーお値段になっています。


そういった価格帯、そして上記のような使用感、そして現在の日本のバス釣り事情的におそらくこの先日本での売れ行きは減っていくと確信しています。


が、アタシは買い続けますよ。

実益を兼ねた「推し活」とかサイコーだからね。


ニシネルアーワークスを推すようになったきっかけです。

よろしければどうぞ。