シングルフックのメリット デメリット


さてさて…シングルフックです。

よくある解説サイト?では、掛かりだとか、バレにくさとか、アクションが変わるとか。

こういった事がお決まりのように書かれていますが、ひねくれ者のアタシはまた違う切り口で書いてみますんで、そういったことに興味がある方は他のサイト見てくださいっと。


もったいぶらずに結論から申しますと

「アングラー各々の流儀、考え方による」

当たり前のことです。シングル、トレブル、ダブル、ツインなどなど、どれが一番優れているとかないんですよ。


シングルフック論争については、バスフィッシング関係の方からはあまり出てこない話題ですね。

一部のフィールドをのぞいて、バス相手に強靭な針の強度はあまり必要ではないからなのかなと。


さて、ここから自身のフック論を書いていきますね。

アタシは現在、トレブルフックとシングルフックしか使っていないので、「トレブルフックとシングルフックとの比較」になります。

ちなみにツインフックに関しては、アタシの場合いい悪いではなく「流儀が違う」ので現在は使用を考えていません。針キズが増えないとか、サカナに優しい的なふれ込みだったと思うんですが、アタシは「あ、そういうのならシングルフックで大丈夫です」って感じ。

みんな大好きセットアッパー。開発時に想定されたであろうサカナのサイズと実際に釣れるサカナのサイズが全然違う面白いルアー。フックセッティングは皆さん試行錯誤されたと思います。



結構な頻度でシングルフックを使った検証


以前にも書きましたバス狙いで「厳冬期におけるスイムベイトのボトムスローロール」というメソッドを自分の中で確立した時に使った針がシングルフックでした。


採用した理由は至極カンタンで、安くないスイムベイトで何が沈んでるか分からん川のボトムを舐めてくるのに一番根掛かりしにくかったからです。


その過程で経験を積み、シングルフックのメリットデメリットを学んでいった末に現在ソルトウォーターフィッシングにおいてはほぼすべてがシングルフックとなっています。

バスは上記のスイムベイトの釣り以外はいまだにトレブルがメインですが、それでもデメリットがさほど見当たらないんですよね。


ちなみにソルトの釣りでシングルフックにしてる理由は「サカナに優しいから」とかいうのを第一には持ってきませんよ。そういうのは好きじゃないのよ。


アタシのソルトの釣りは、アカメを除いては基本的に「獲って食う」釣りになります。

対象はヒラスズキ、ヒラメ、軽めの青物になりまして、それらに対してシングルフックで挑む理由は「手返しが早く、人への危険度が他の針より少ない」からってのが第一となります。


海のサカナの時合いは短いです。

短時間の間にそれなりの釣果を得るためには手返しの早さが重要で、確実に掛けてさっさとランディング(ブッコ抜きも含め)、針の危険性をそこまで気にすることなくサカナを絞める、針を外すという動作がスムーズに行えるからです。


ヒラメがセットアッパーに食ってくる時この真ん中に掛かる確率がかなり高いよね、なんでだろう。


7キロくらいだったかな~なハマチ。竿がライトだったんでドラグは3~4キロしか掛けれなかったけど、デフォルトのフック(#6)だとそのドラグとサカナの引きに耐えてくれたかどうか…


例えばヒラスズキ。

サカナへの配慮でシングルフックを使われてる方がいると聞きますが、アタシはそういった理由ではなく、根掛かりが確実に減り、強引なやり取りができ、服や周りの余計なモノに引っ掛かったりフックがらみのトラブルが減ることで荒れる海での危険性の回避に確実に効くからです。

ま、ヒラスズキにおいては「強引なやり取りができる」に尽きるかなぁ…


シーバス(マルスズキ)に対しても現在はほぼシングルフックです、年に1~2回くらいしか釣りに行きませんが。

これの理由は「他のサカナよりも圧倒的に目に針が刺さる可能性が高くてそれが本当に嫌だから」です

。シーバスとナマズの目に刺さる確率の異常な高さってなんなんでしょうねぇ…

シーバスへの配慮ではなく、単純に目をつぶしてしまったら自分の気分が悪いだけという、褒められた理由ではないです。

ここでちょっとグチ言わせて。

シーバス(ヒラスズキ含む)やられてる方って結構「サカナへの配慮」的なことおっしゃられることが多いと思うんですよ。バスとかと比べて。


なのに針はカエシもつぶしていないトレブルなんだねって。

…う~ん、です。

やめよ、この手の話はキリがなくなってきちゃうので…



アカメに関しては「あまり傷つけたくない」っていうひいき目が入ってしまうのですが、それを置いても基本的にハンドランディングでいってるのよ。そのためのシングルフックです。

あんなサカナ相手にトレブル使ってハンドランディングはムリよ、いつか自分の体のどこかに絶対に刺さる。

あとはあの馬鹿力に対応できるトレブルフックと使うルアーの親和性となると、途端に選択肢が狭まってしまうからシングルを使ってるというのもあります。

ってか他のサカナでシングルフック導入したのもアカメに繋げるためでした。

このサカナだけは各々が最良と思うトータルセッティングで挑まないとどうにもならんサカナですわ…

アタシも含め、皆さん色々苦労してますよ…


下手なアタシもようやく少しだけアカメ釣れるようになってきてまして、その中には釣られた時の針キズ?と思うんですが、片目がつぶれてるのが何本かいました。

シングルフックならこういった傷を残してしまう可能性は少し減るのでは?と思ってしまいますね。


ま、他の方にこういった考えを強要するつもりは皆無ですが。

全然関係ない話だけど、アカメって撮る角度でカッコよさが全然違って、これはあんまりカッコよくない角度。実物はヤバカッコよホントに。


ヒラスズキ、軽い青物やヒラメ用のルアーたち。

使ってる針は、がまの真鯛王、V2ヒラマサ、ヤマシタの引縄針がメインとなります。

例えばセットアッパーは真鯛王かV2ヒラマサの13号を3発、裂波120は同じ銘柄を前から11、11、12号だったっけかな。K2F-142は引縄13号とか…結構細かく番手を変えています。


個人的には裂波120をシングルフック仕様にしたことで、ヒラスズキ用として安心して使えるようになったのが大きかったっすね。

ノーマルだとST-46相当の#6ですが、いくらヒラスズキとはいえこの番手は弱いですからね…

セットアッパーのシングルフック仕様もドラグ負荷を4キロくらいは楽に掛けられるからいいです。


最終的なキャッチ数をトレブルと比べると?


あまり変わらんですね。

アタシのソルトにおける巻きの釣りでのバイトからフッキング、ランディングまで持ち込める確率というのは、サカナにもよりますが3~4割という感じです。

うん、アプローチやフッキングが下手だからなかなかランディングにまで持ち込めんのよ…

ちなみにこれはトレブルを使ってもシングルでもそう変わりません。

最終的なランディング率はそんなに変わらない、です。


ちなみにシングルフックという「形」だけでメリットデメリットを語られる方、記事が本当に多いですが、アタシからすれば「全然甘い」です。

例えば前述の真鯛王と引縄針。同じシングルフックになりますが、形状の違いから掛かり性能は全く違う。シングルフックでアタシが使った中では、掛かる感じだけ言えば引縄針の圧勝。


真鯛王はオーソドックスな伊勢尼型と言われる形状、引縄はアジ鈎型?袖鈎型?っていうのかな。

そういったシングルフックの「形状」に対して、考察を深めている方というのはそれほど多くないと思っています。


アユやグレの方は異常なまで形状に対してのこだわりがあると思うんですが、ルアーの方ってそうではないかなと。

この辺かなり大事と思ってて、トレブル、シングルといった「カテゴリ」ではなく、針の形状自体も考慮して検証してます?って思うことはよくあります。


それにサカナのバイト~ランディングというのは色んな要素が発生、目まぐるしく展開していくので、トレブルだからシングルだから…という理屈は、一部からの視点だけで物事を見てるようなもので、ことはそんなに簡単ではないのです。


例えば。アタシはもう何年もシングルフックの検証をしていますが、シングルフックを使っていると「適正にバイトさせないと掛からんなぁ」と思うことが本当に多いです。

トレブルだったら何となく掛かってたのが、シングルはもう少し明確に分かります。


どういうことか?

速すぎず遅すぎずな速度で追わせて、きちんとルアーを吸い込ませて、ルアーを咥えたままちゃんと反転させる。

これをルアーのアクション、タナ、コース、スピードなどの総合的なアプローチで理想的なバイトになるようにコントロールしないとアカンです。

サカナはルアー(捕食対象)の様々な挙動を見て食い方を変えてきますから。

そしてバイトに応じて適切なフッキングをする。


そんなことができるの!?

それがなかなかできないから難しいんすよ…たまにしか成功しません。


他のサイトのように「シングルフックはここがメリット!!銘柄はこれだよ!!」みたいなスマートさじゃなくてゴメンね。使い込んでくるとそこまで簡単には書けんくらい針掛かりの仕組みって複雑だと思うのよ…


お勧めの銘柄は?


前の段落で「簡単じゃない」って言いつつもオススメ…

アタシは基本的にこういったフックスタイルで運用しています。

市販品の「シングルフック」ではなく、いわゆる「鈎(はり)」という品をアシストフック用の組糸を使ってこんな仕様にしています。

手間はかかりますが、アタシは掛かった後の針の自由度を推してこれにしているワケです。

バレる時はバレるけど、確かに効果はありますし、ちゃんと組んだら巻き付け部のすっぽ抜けも大丈夫だし、スプリットリングやフックハンガーが捻られて壊れることもかなり減らせます。

ちなみにちなみに。

この組糸を使ったアシストフックスタイルのシングルフックですが、このアシスト部分の長さは

「基本的に長い方が掛かる可能性は高くなります。」

アタシはあえてそれしません。

理由は色々あるけど「美しくないから」です。


で、銘柄は…

アタシはがまの真鯛王V2ヒラマサヤマシタの引縄針がメインとなります。

この3種類で結構な魚種はカバーしています。


特に引縄針は本当に気に入ってて、ルアーに対して吸い込んで反転するようなバイトをしてくる相手には理想的ではないかな?と思ってる針です。


この銘柄のデメリットは、針先がすぐに甘くなるのと、形状的に伸びやすい可能性をはらんでいること。

ま、それを差し引いてもアタシは引縄サイコーです。

アカメに対しても引縄針がメインで、ルアーサイズ的にそれを使えない時はがまのふかせスルルー金龍の超青物を検証しています。


リング直付けできる縦アイのシングルフックは、よさそうだな~って感じる品はありますが、検証できていないために書くのは控えておきます。

が、銘柄がある程度絞られてしまうのと、針が捻られる方向に力が働いたらリングやフック大丈夫かな?って思ってる。

初期掛かり、いわゆる「針先が立つ」時は、針の逃げが少ないのでアシストフックスタイルよりもいいかもしれんかな~くらい。

よく解ってないっす。


ま、そんなこんなで針と糸はいつまで経っても完全な答えが出ないモノなので、各個人個人がベター、ベストと思える考えでいくしかないかと…

針は釣りでサカナにコンタクトする唯一の接点となる部分ですので、考えすぎるくらいでもデメリットは一切ないと思ってますからね。


結果的にソルトの釣りはシングルフック推しな記事になってしまってます。


ま、ひと言でいえば「潔い」んですよシングルフック。


究極的な理由としたら多分そこです。

それをアレコレ理論武装してるって感じかもしれんです…

シングルフックオススメですよ。