いつの頃からかルアーフィッシングで語られるようになった
「リアクションバイト」という言葉。
20年ほど前はバスだけに使われていたこの言葉も、今はほぼすべてのルアーフィッシングで使われる言葉となっています。
この記事のリアクションバイトの説明として「フィッシュイーターがルアーなどの捕食対象に対して、反射的な行動として口を使ってしまう行為」との認識で進めさせていただきます。
ルアーなどの捕食ターゲットに対して、考える間もなく口を使ってしまう。
ネコの前にオモチャを持っていくと、サッと手を出してしまうのと似ている。
「リアクションで無理矢理食わせた」的な言葉を聞くこともあります。
じゃあね、思ったことありません?
もし、リアクションバイトというのをいつでも引き出せれば…
「いつでもサカナに口を使わせられるやん」
「たとえスレても大丈夫やん」
がしかし…現実はなかなか釣れません。
では、こう考えてみましょう。
「そもそもリアクションバイトという概念は本当に存在するのか?」
またまた世間の常識に反抗するかのような今記事。
最後までお付き合いいただければ幸いです。
リアクションバイトの存在を検証する試み
思えばアタシがルアー釣りを始めた1995年くらいから「リアクションバイト」という言葉はすでに存在していた気がしています。
その年代から年を追うごとに釣りのウデも少しずつ上達してきた結果、同時に疑問も出てきました。
「リアクションバイトって本当に存在してるのか?」と。
いつしか普段の釣りの中で、それを検証する日々が始まりました。
方法として採ったのは普段の釣りに加えて
あまりスレておらず、かつサカナが食ってくる瞬間が見えやすい透明度の高いフィールドを中心に今までにかなりの時間をかけてバスのバイトする瞬間を観察してきました。
上記の検証内容として、1回の釣行で約30センチ以上の成体と思われるバスを最低20匹以上釣って、そのバスがどうやってルアーに食うかをつぶさに観察するというものです。
それに加えて、今までの普段の釣りでバイトが見えたバスの行動も含めた検証となりました。
(それなりに恵まれたフィールド、理解ある友人らの協力がなければこういったことはできませんでした。フィールドに感謝です。)
結果どう感じた?
こうした検証をした結果です。
すいません、データ的なモノは残してないというか残しようがないというか。
あくまでも検証は個人の目で見るという方法なので、データにしても仕方がないというか…
ちなみに検証に付き合ってもらったバスの総数は100や200ではありません。
万のケタまではいってなく、せいぜい数千の単位ですが、ま、それなりの母数の検証だと思っていただければ・・・
自慢のように感じられるかもですが、ひと昔前のフィールドはよく釣れる場所も少なからずあったのです。アタシの世代の釣果としては本当に普通ですので。
で、どう感じたか?
バスがルアーの存在に気づいてからバイトするまでには必ず
『何らかの判断をしてから口を使っている』
という風にしか見えず、その様子は
「食ってやる‼」とサカナが決めてから食いに来ており、いわゆるリアクションで(反射的に)食ってるようにはどう見ても思えませんでした。
透明度が3mくらいあるフィールドに船を浮かべて、目の前を泳ぐバスに向かって色んなルアーを投げてもらう。
そして、バスがどのような反応を示しながらルアーに近づいて口を使うのか?を観察しました。
結果、観察できたバスの行動は、どう見ても口を使うまでに「食う・食わない」の判断をしており、いわゆる「リアクションバイト」という行動をしているようには見えなかったのです。
ではリアクションバイトは存在しない?
ただ、その「食うと決める」判断のスピードがルアーやその他条件によって異なり、相当な早さで判断して食ってきてるなと感じる場面もたくさんあり、それをリアクションバイトと表現しているのでは?
と。
こういった経験から、ルアーに対してフィッシュイーターが口を使う理由に、いわゆる「リアクションバイト」なんてものは存在しない。と考えるようになっています。
じゃあみんなが言ってるリアクションバイトって何なの?サカナは何を思って食ってきてるの?
これには自分では明確な答えを出しています。
またまたバスの話で申し訳ですが、バスがルアーに食ってくる理由は
- 食性(好奇心含む)
- 怒り
このどちらかまたは両方だけだと思っています。
この仮説は琵琶湖の猛者の方も言っておられますね。
で、リアクションと呼ばれてる食い方は「怒り」がかなりの確率を占めていると思っています。
リアクションベイトと呼ばれることがあるルアーに対して、バスは「腹が立って」食いに来てる要素が多いと感じています。(もちろん同時に食性という気持ちも持ってると思います)
じゃあ海のサカナは?
海のサカナもリアクションバイトって言ってる人いるけどさぁ、怒って食ってきてるの?
これは否ですね。
海の、特に回遊傾向が強いサカナほど、怒りで口を使う行為というのを感じたことはありません。
サバ、ブリ、カツオ、サワラ…などの青物は確実にそう思います。
じゃあね、回遊傾向が強いサカナがリアクションバイトしてきたのはどう説明するの?
これは上に書いた通りもう簡単です。
「一瞬で食う判断をして食ってきてる」だけです。
そのスピードがかなりのものだから、ヒトから見れば反射的に食ってきてるように感じるだけで、サカナの本気の速度はヒトの及ぶところではありません。
遊泳能力が高いほど、体がデカくなるほどそのスピードは上がっていきます。
有無の回遊魚とかはそんな感じですが、他の怒りで食ってくるサカナにはある共通点があると感じてます。
それは何か?
分かりやすく言えば「縄張り」を持つサカナです。
海では根に着くサカナが当てはまりますね。
ガシラ(カサゴ・ガガネ)なんかを釣ってると「今のバイトって怒って食ったっぽいよなぁ」
と感じたことが結構ありました。
プロが「リアクションバイト」って言ってるのなんで?
…お察しください。(悪意はありません)
多分、プロの方はその立場の考えがあるのでしょう。
サカナに対して「捕食スイッチを入れる」と表現できる食わせ方は存在してると確信してます。
が、いわゆるリアクションバイトというのは存在しない。というのがアタシの考えです。
あと、これとよく似たカンジの言葉に「波動」がありますが、これも大いに疑問があります。
理由は「その言葉が意味するものが非常に曖昧だから」で、それを書いた記事は「ルアーフィッシングにおける波動という言葉の意味」でどうぞ。
とにかく釣りって難しいもんで、何故釣れたのか?に確固たる確証が得られにくいし、色んなミスリードが存在してるとも思ってます。
アタシはもともとアタマカタい性格なので色んな勘違いをしてきましたし、今もしている可能性大です。
が、それでも少しでも正解を知りたい。
そんな思いで釣りしてるので、今日も明日も変な釣りばかりしています。