冬のバスにはスイムベイトだと確信した話





陸からの釣りで冬のメソッドといえば、メタルバイブ(鉄板)、各種ライトリグ、サスペンドプラグなどが一般的です。



ではアタシの大好きな釣りとメソッドであるスイムベイトゲームは?



これはもう自信を持って言います。


「自分の中では最高ですよ?」と。


またまた大きいことを…


今回も長いです。どうぞお付き合いください。



きっかけは厳冬期の敗北




時をさかのぼり2014年年末~2015年1月。


記憶をたどると、ここ徳島では年末くらいから一気に冷え込み、水温もあれよあれよと7℃を切るくらいまでにキッチリ冷え込んだ冬でした。


それまでアタシの釣りは冬になると他よりも水温の高い桑野川や飯尾川、吉野川の水温が高いエリアでサカナを釣ってました。


水温的に言えば8℃~11℃といったところです。


そういった場所は、当時ノーシンカーワッキーを底でシェイクし続ける釣りでそれなりに釣れていました。


が、そこで思ったことが。


「毎年毎年こういった釣りで釣れたからといって、これで冬を攻略できていると言えるのか?」と。


それから水温がきっちり下がるフィールド、エリアでの釣りを模索することに…


昔から通い慣れてるのもあり、場所的にも適当だと思ってメインフィールドに選んだのが皆さまご存じ旧吉野川。


ただ、通い慣れてるといってもボートで連れて行ってもらってたのは主に夏や秋。


陸からの釣りをよくやってたのも旧吉野川水路系だったので、真冬のポジションは手探り。


さてどうなったか?


釣れんかった…ホントに釣れんかった。



まる1ヶ月ノーバイト…

今まで冬にやってた桑野川や吉野川の比較的水温が高いエリアで絶対の自信を持っていたノーシンカーワッキーが効いてる気がしなかったんです。


しかし諦めずにやり続けて1ヶ月ノーバイトの後にようやく一本のバスが釣れます。

それは冬でもバスがストックされやすい水路でサスペンドシャッドを使って釣った50アップ。


しかしそのバスは…

片眼が白く曇って見えていない感じで、もう片眼も少し曇ってる…


そのようなサカナでもここまで大きく育ってくれる環境があることは嬉しく思いますが、自身の精いっぱいの手を以てしても言葉は悪いですが「この程度のサカナ…」



眼などが機能不全なサカナは、一級場所に居つくことが少ない…

逆を言えば、一級場所と思われるところでこういった身体的ハンデを負ってるバスが釣れるのは、他に強いバスがいない。

という自身の経験から、ここまでやったのにこのサカナか…そう感じました。


やった釣りは目新しいことでもなく、場所も今までと同じ…これで満足なのか?


自分のウデのなさを痛感させられた一本でした…

新たな釣りの模索




それからどうにか状況を打破するべくアレコレ考えて自分の中で浮かんだキーワードがいくつか…


  • 水温が7℃を切るような状況でのシャローはバクチでホントに難しく、狙って釣るなら2.5メートル以深のミドルレンジ

  • サカナが口を使うスポットが縦にも横にも狭そうな気がしたので、スローに誘えるもの

  • と言ってもメインは吉野川と旧吉野川、フィールドの規模がボチボチなので、できることなら横に動かすルアーで広く探りたい

  • 陸からミドルレンジを攻める時に付きものの「根掛かり」をどうにかしたい

  • 透明度が高めの水域でも問題なく食わせられるもの

この5つのことを考えて頭に浮かんできたルアーは

  • 2メートル以上潜るシャッドプラグかジャークベイト

  • 根掛かりしにくいスイムベイト

手持ちのシャッドプラグとジャークベイトに該当しそうなのがなかったのと、ジャークベイトは本来であれば底から浮いたサカナを反応させるのに適しているとされるのでとりあえず却下。

残ったのはスイムベイト。

ちなみに他のルアーは以下の理由で最初から選択に入れていません。


クランクベイト

基本的に透明度が低い条件で水温は9℃以上で使うのが普通です。よって却下。

スピナーベイト

これも基本的には透明度が低めで、かつウィードに絡めて使うのが普通。


しかもスピナーベイトというルアー、一般的には「根掛かりに強い」とされていますが、


それが通用するのはソフトカバーと呼ばれるウィードなど柔らかいモノに対しての話です。

ハードカバーと呼ばれる石系カバー、ゴロタなどのスキマにはめっぽう弱いのです。


ま、ある程度の経験がある方ならお分かりでしょうが。

よってこれも却下…

スイムジグ

これも本来はウィードやスタンプなどに絡めて使うルアー。


スピナーベイトもそうですが、こういったルアーは旧吉野川や吉野川のようなゴロタしかないようなボトムで使うのは「アピール過多」になり、こういった場所の特に冬のバスにはあまり好かれない傾向があるのです。



よってこれも却下…


ジグやメタルバイブ

根掛かりし過ぎでムリ。




残るはスイムベイトをミドルレンジのボトムで使う

ぜーんぜん目新しい釣りでもない今更感満載な、いつも時代についていけてないアタシにはお似合いの釣り。

それで手持ちの色んなスイムベイトを試してみたんですけど、結果はイマイチでした…



そしてハドルトラウトを思い出した…




ボックスに眠ってたスイムベイトたち。

どれもが2m以上のレンジでゆっくり巻こうと思ったら、2オンスクラスまでのスイムベイトでは何してるのか分からなかったり、水圧に負けて?きっちりとアクションしてくれてないっぽかったり、姿勢が安定しなかったり、軽すぎて浮いてきたり、逆にウェイトを追加したら底へのアタリがゴツゴツしすぎで根掛かり怖すぎだったり…


もちろんジョイクロも試しましたが、アクションはいいんだけど根掛かりしやすい時点で候補外…


当時はワイヤーガードが発売されていなかったのです。


途方に暮れそうになった時にふと目に入ったのは、部屋の片隅のタックルボックス内で忘れ去られていたハドルトラウト8インチでした。




試しにフィールドでハドルを投げてみると、2mほどのレンジでスローに巻いてもアクションの安定感が他のスイムベイトとは段違いで、底などへのアタリも漂うようにフワフワと回避してくれる。


少し試しただけで、「これはイケるんちゃう?」

なんとなくそんな気になりましたが…


ハドル8インチをホントに底で巻く?


ハドルトラウト8インチといえばアメリカメイドの決して安くないスイムベイト。



日本で買えば4,500~6,000円くらいが相場です。


そんな高いルアーで何が沈んでるか分からんミドルレンジを巻いてくる?


フツーなら諦めますよね?



アタシはなぜか諦めませんでした。


なんか気になったから。


さぁ、根掛かり対策どうしようか…


この冬を攻略する釣りとして、釣るレンジとスピード、そしてルアーの目星はついた。


あとは根掛かりを少なくして、できるだけストレスフリーでミドルレンジのボトムを巻けるようにするか。



ハドルは背中にダブルフックを打つシステムが有名でした。



しかしですね、アタシはダブルフックの構造的にそのセッティングが非常に難しいんで敬遠ぎみでした。


そしてアシストフックやらを何発もゴテゴテ盛るのはシンプルじゃないから好みじゃないし、そうでもしないと獲れないってのは使う状況が合ってないことがほとんどなのでは?と思ったから。



1または2フックシステムでどうにかできる上手いやり方はないか?何日間も考えましたねぇ。


ちなみに他の方からハドルのラインアイにトレブルフックをセットする「ブッチブラウンリグ」を聞いたことがあり、過去にそれをやった経験があるんですけどそれでも少し根掛かりしたんです…

ボートからの釣りならアリなフックセッティングかな。


言わずと知れたブッチ・ブラウンおじさん。素晴らしいフックシステムです。



船ならいざ知らず、陸からの釣りでは掛かり性能よりも根掛かり回避を優先したほうがいい。



でないと破産するわ。


そこでそれらを参考にして自分なりのフックシステムを色々試してみました。


結果、暫定で頭部に一発とお腹に一発シングルフックをつけた2フックシステムを現場で使ってみることに。


自分の釣りが変わった瞬間




いよいよ実釣、早速フィールドについて足元のゴロゴロのゴロタで泳がしてみるとほぼ根掛からんじゃないですか!!




いやいや、まだ油断はできん。

なんせルアーは1個数千円…


根掛かりしてもどうにか取れそうな場所で何度も繰り返しました。



陸から水深3m以深のボトムを攻めるなんて、何が沈んでるか分からない場所をきちんと攻略するにはメンタル的にも相当な安心感が必要だったんです。


根掛かりにビビりながら30分ほど練習してから、岸際に小規模なストラクチャーがある少し沖側の2.5mに投げ、カウントダウンでボトムをとってアプローチした数投目にあっけなく答えが。

コンディションは最高とは言えないサカナでしたが、「これはイケる!!」と、たった一匹のサカナでそう確信できるものでした。


まる一ヶ月ほぼノーバイトな状況を経験してきた末の数投で出た結果。


水温は6.3℃。



今までのアタシの釣りでは釣れてなかったサカナだったのは明らかでした。


そこからはひたすら有効な状況や場所を探しまくって、何年にも渡って投げ続ける日々が。




まだまだ画像はありますが、自慢みたいになるのイヤだしねぇ。

アシストフックも調整を繰り返して、基本は頭部にシングルフック一発仕様。

たまに上の画像のように頭部にシングルのタンデム仕様にしています。



スイムベイトのセッティングや使う場所によって、こうしたモノガード仕様も


現在は水温が9℃を下回ってくると、この釣りの展開が9割を超すような厳冬期の主役になってくれています。


スイムベイトブームは終わった?





2020年くらいまでの数年間は、第三次スイムベイトブーム?と思われるくらいに各メーカーからスイムベイトが発売されていました。



今現在、各店舗やネットショップ、ヤフオクやメルカリを注意深く見ていると、スイムベイトを多くの方が使ってるとは思わないかな?といった感じになってきてると思います。

(バス相手ね、他魚種は違うよ)。



ただそれはあくまでも人側の都合。



ハードボディスイムベイト(ビッグベイト)は今までどおり爆発的な人気な様子です。




アタシもこういったビッグベイトを使った釣りをしたいですが、流行りに乗るというのが得意ではなく、また通ってるフィールドの、特に厳冬期は色んなことを散々試した結果にハドルトラウトの釣りに出会ったワケで、自分の中ではこれ以上釣れる釣りはないと思い込んでるので、これからも続けていけたらと思っています。


ハドルトラウトじゃないとアカンの?



アタシの場合、自分に合ってることや思い入れ、こだわりがあってハドルトラウトこそ最強と思ってます。


ま、ぶっちゃけ他のスイムベイトでも釣れます、多分。




旧吉野川では、冬の定番としてO.S.Pのドライブシャッド6インチやフィッシュアローのビビッドクルーズが定番になってる感じですし。



ま、ハドルが釣り負けることは無いと思ってますが。



エラく熱が入った記事を最後まで読んでいただけた方には深く感謝申し上げます。


アタシのブログに訪問していただける方はおそらくかなりやり込まれたアングラーの方が多いと思います。



そういった方々にアタシ程度の体験を書くのは少々恥ずかしいですが、もし冬を攻略できない!!って方がいましたら何かの参考にしていただければと。