日本のルアーの世界では常識となった表現方法
「波動」
例えばこれを的確に、釣りをしない人にでも説明できる方はいますか?
アタシがきちんと答えておきます。
結局さ、波動って何?
世の中には言いたくても言えないことがあります。
例えば太ってる方に直接的な表現で「太ってますよね」とは言いにくい。
だから柔らかな表現を使う。
波動ってそんなもんです。
波動って言葉が出てきたのは2005年より少し前くらいじゃなかったかな?と思います。
アタシはこの言葉が出てきた頃には、
ルアーの最重要事項は「振動(音)」である
と気づいてました。
なのでこの「波動」という言葉について違和感しかありませんでした。
水中でルアーが水をかき分けて泳ぐ、ボワーンと水を押しながら進む。
そういった動きに対して、水中では必ず振動(音波)が発生しており、それは波動とかいうあやふやな言葉ではなく「周波数」という数字で説明ができてしまうからです。
でね、メーカーさんはこの「ルアーの最重要事項は振動(音)」ということを明言できんと思います。
もし明言したら、消費者側の要求は段階的にですが絶対に
「釣れる周波数(振動・音)を出すルアーしか買わん!!」
ってとこまで行きますからね。
釣れないルアーは今よりも確実に売れなくなるから、商売がしにくくなると思うのです。
え?
今も釣れないルアーなんて売ってない?
ではなぜセットアッパーばかり売れるんでしょうね?
振動や音は周波数で可視化できてしまいます。
それを波動という言葉にしたら…
核心的なところはボカした方が商売上都合がいいのでしょう。
釣りの場合は。多分ね。
それをね、現在は誰もかれも
「波動」「波動」「波動」
何も知らない若い方は仕方ないんですが、いわゆる業界の方の口からもその言葉が当たり前のように言われてる気がします。
解って使ってるならいいんですよ?
けどそうじゃない方いっぱいいそうですよね…
「波動」はルアーの最重要事項である
「振動や音」をボカすための表現に過ぎません。
フィッシュイーターは何を頼りに獲物を探すか?
第一に「音(聴覚)」です。
次に嗅覚と来て、それから視覚、そして側線などから得られる水流変化らしいです。
サカナには水中でモノが動く振動は全て「音波」として認識してるそうです。
どこでそれを感じているか?
頭蓋骨だとか、体全体とか、お腹のなんとか膜だとか浮袋だとか諸説ありますが、まぁどっかで感じてるのは間違いないみたいです。
よく「振動は側線で感じてる」って言われてますが、側線は振動や音よりも魚体近くの水圧や水流変化を感じるのが基本じゃなかったかな?
間違えてたらゴメンね。
ってか、よくフィッシュイーターは側線で獲物を感知してるって書いてるけどさ、体の横で感知するっておかしくないですか?
口は頭の先についてるのにね。ま、どうでもいい話。
こういった話の根拠は?
さーせん、色々調べてくれたら出てくるから調べてみてください。
水中の情報伝達に一番優れるのは音だというのは周知の事実。
魚探が何よりの証拠です。納得するでしょ?
なのにルアーのことになると波動が先行される…
関西圏に住まわれてる方は、ぜひとも海遊館に行ってみてください。
ズバリ答えを書いたボードが展示されてたハズです。
確かサメのイラストのヤツだったと思います。
フィッシュイーターが重要視している「音」
よく釣れるルアーとは、フィッシュイーターが気にしてしまう「振動(音)」を発することが条件なのです。
波動という言葉で表現するからボヤけるのです。
釣れる「周波数?」
ええ、存在するみたいですきちんと。
残念ながらアタシはそれを数値として持ってはいませんが、世の中の猛者の方はよく釣れるルアーたちを水中で泳がせて周波数を測定し、それらに共通する帯域を特定してるみたいです。
100ヘルツ付近だったっけ?ゴメン、忘れましたがネットで調べたら多分出てきますよ。
アタシも測定機器が欲しいんですが、ん十万以上するので買えずにはや何年…
いつか買います…
イルカを目の前で観察できたらやってみ?
お隣の香川県にはドルフィンセンターという、イルカをかなり近い距離で観察できる施設があります。
よければ温かい時期にそこでイルカたちを観察してみてください。
温かい時期になるとドルフィンセンターでは、イルカ以外の小さな魚がイルカの泳ぐ囲いの中でいるのが見えます。
イルカたち(体長2mくらい)は暇つぶし?に数cmほどの小魚を感知して近づき、口先?でツンツンして遊ぶのがたまに観察できれば驚愕すると思います。
人よりも大きな生き物が、数センチほどの小魚を、人が陸上で目で見るのと変わらないくらいの捕捉精度で水中の情報を捉えているのです。
おそらくは超音波でこういった小さな生物も感知してるのだと思いますが、水中での振動、音波による情報伝達の正確さは、陸上での視覚情報なみの精度かもしれません。
水中の音波情報恐るべし。
じゃあ動かないルアーが釣れるのはなぜなの?
そう思ったあなたはめちゃ鋭いっす。
そこにすぐ気づかれるなら、アタシより余裕で釣り上手いです。
動かなかったら音は出ないとは言いませんが、水中を「スー」とか「ゆら~」って移動するだけでもわずかに音は出ています。
が、フィッシュイーターからすればそれはかなり小さな(特定しにくい)音のハズです。
そういったルアーが釣れるのは、フィッシュイーターに「不利な選択」をさせているからです。
本当は一番得意な音の情報で本物か偽物か見分けたい。
でもその音だけでは判断に迷う。
聴覚より優れていない視覚に頼らざるを得ない。
結果、ルアーに食いつくという間違いを犯してしまう…
こういうことかと思ってます。
波動なんて放っておきましょうよ。
魚がルアーに食ってくるのは理由があります。
たまたま食っちゃったなんてことは99.99%あり得ません。
彼らは命がけですからね。
波動なんて言葉は、サカナたちのその命がけの行為を人側の都合であやふやなモノにしてしまってるような気がして気に入らないのです。
そんなものは放っておきましょうよ。
本当に釣れて、好きでいつまでも使えるルアーを探しましょう。
そうしたら釣り道具の供給側もいつまでもごまかすワケにはいかなくなりますから。
ここまで書いちゃいます
サカナが気にする振動(音波)。
それってルアーのアクションからのみ発生してると思いますか?
振動するルアーにはスプリットリングやスナップ、フックが。
ルアーの振動を受けてラインが。
ラインの元にはロッドが…
フックやリング、スナップやライン、ロッドもサカナのバイトに影響を与えると考えましょう。
もしフックとリングの音が、ラインの振動が、ロッドの振動がサカナにとって不快なモノなら…
アタシはそれに気づいてから、フック、リング、ライン、ロッドに至るまで色々考えながらセッティングしてます。
バス用のトレブルフック、ラインは特定の銘柄に。
ロッドもアメリカのブランクに。
深いっす。
解ります?
世の中にはバイトされにくいフック、ライン、ロッドというものがあるんです。
理屈の上ではね。
こうした妄想はまた書いていきますので、今回はここまでに。
リアクションバイトの真意はこちらに書いてみました。
ご覧下さいね。