バイトとフッキングの考察


このたび、インスタグラムにメッセージをいただいて、それに回答をしていた時にこういったことを書いてみようかなと思いました。


今回の記事は、バスやシーバスのように獲物を吸い込むように捕食するようなサカナの食い方や針掛かりについての考察です。


確信犯的に今回も長い記事ですがどうぞお付き合いください。


針掛かりしないのは誰のせい?


巻きモノの釣りをしていると誰もが経験する「フックアップミス」

これは何がどうなって針掛かりに至らないのか?

考えても仕方ないのかもしれませんが、そういったところを考えていくのがルアーフィッシングの楽しさかと思います。


さてさて、サカナがバイトした時に手元で感じるアタリってどういった感じがあります?

コンッ

グッ

トン

モサ~

フッ

ツッ

などなど、擬音語ですが手元に伝わってくる感覚は実に多岐に渡ります。


針掛かりと、この感覚の相関関係はあるのか?

そういった切り口から考えてみます。


ちなみに、フッキングの動作の上手さ下手さによる針掛かりの成否というのは、一端置いておきまして、ルアーにサカナがバイトしてきても針掛かりせずに終わってしまった…というのは、どういうことなのでしょう?


それを解りやすいように「バイトの感覚」で考えていきます。


どんな時でもだいたい掛かるバイト「ドッ!!」


いいですね~

想像するだけで気持ちのいいバイトです。


こういったバイトの時ってシーバスでもバスでも、だいたいがとりあえずはフッキングできると思います。


なんならアワせなくても勝手に掛かってるくらいです。


サカナがどんな食い方をしたらこういったバイトになるのか?


それなりに勢いのあるダッシュで、ルアーに対してやや近距離から吸い込んで反転するバイトです。たぶん。


「それなり」や「やや近距離」ってのがポイントです。


これはまさにそんな感覚でのバイトでした。


意外と掛からないバイト


では「遠距離からルアーに対して一気に距離を詰めるようなバイト」であれば、どんなバイトの出方になるかお分かりでしょうか?


これは、そのまま反転してルアーをくわえたまま持って行ってくれたら、問題なく針掛かりするバイトになると思います。

「グン!!」っていう感じかな。


しかし、アタシの経験的にこういった「勢いのありすぎるバイト」というのはけっこう針掛かりさせにくい気がしています。


バイトの感覚でいえば

「ガッ」

「フッ」

っといったヤツ。


なぜ勢いのありすぎるバイトは針掛かりさせにくいか?


ここを見ていただいてる方は流石にお分かりですよね。

「サカナの突進でラインがゆるんで、そのスキにルアーを吐かれるから」です。


さぁ次行ってみましょう。


意外と掛けやすいバイト

「トンッ」

「グッ」

「コッ⇒フワッ」


ゴメンね、擬音ばっかりで笑


こういったバイトというのは、多くが「近距離から勢いを抑え気味で吸い込んだバイト」だと思っています。


けっこう近寄ってきたその場で食って、惰性でフワ~っと泳いでる感じ。


しかし、サカナの状態?テンション?によっては「疑いながら食ってすぐに反転しながら吐く」バイトにもなりやすい食い方なので、難しい状況もあります。



そもそもサカナのバイトはどんな速さか?


これねぇ…以前は榎本茂さんという、東京湾でシーバスフィッシングをされてる方が作られていたホームページにとてもとても素晴らしいモノがあったのですが、現在はその場所が見えなくなっています…残念。(シーバスライブという名前でした)


そこには「シーバスがルアーに食ってくる動画」が沢山ありましたが、


そしてその動画に収められたシーバスのバイトは「多くが手元に伝わらないバイト」だったという結果を報告されていました。


サカナの本気のバイトは人では反応できない


ある日の夕方。

シーバスでも釣って癒されようと近所の港に行き、目の前3メートルにある水門のヘチにルアーを投げた時のこと。

見えないタナから一気にルアーに近づいて、食って反転しながらルアーを吐いて去っていったシーバス。


その時、手元には全くバイトが伝わってこなかったのです。


食って反転しながらルアーを吐いた後に「…ん?」って違和感があったくらい。


そうです、人が感知できない、できても反応できないバイトは本当は多くある、という真実。


これに気づいた時は結構ショックでしたね。

だって自分でどうにもならんことだ…って感じましたから。


ちなみに、今の時代でもまだよく聞くお話ですが「シーバス(ヒラスズキ含む)は食うのが下手」という言葉。


全くそんなことないですから。

なんなら「上手すぎる」といってもいいくらいで、バスよりも上手いと感じてます。

バスはね、まだ可愛げがあるんだけど、シーバスになると「冷酷無比なマシーン」と感じるくらいの精度で食ってきます。

口を開ける大きさまでその時の状況によって変えてきてる。


なので今の時代にシーバスは捕食が下手って言ってる方は、失礼な言い方ですが「時代遅れすぎ」です。

現場で分からなくてもネットで調べる術はいくらでもあるからです。


一般的に、バスやシーバスが獲物(ルアー)を吸い込んで吐く速度は「0.2秒」だと言われています。



ケータイのストップウォッチを使って実験してみましょう。


目を閉じた状態で、自分で持ったケータイを誰かに指で「トンッ」と触ってスタートしてもらい、それを感知した瞬間にストップを押しながら軽くフッキング動作をしてみてください。


ね0.2秒でフッキングとか無理でしょうw


サカナの純粋なバイトに対して、アングラーがフッキングかまして掛けるなんてことは、本当はムリなのです。(サイトを除く)


じゃあ手はないのか?


サカナの気分といったらそれまでなので、ここからの諦めの悪さが「アングラー」の本領になります。


どうにかしてサカナのバイトを掛けやすいバイトにできないか?


疑いながら食ってすぐに吐くようなバイトではなく、それなりのスピードで食って確実に反転してくれるような食い方にならないのか?


ここで非常に興味深い記事を紹介。

ニシネルアーワークス代表の西根さんが書かれた記事です。

(ちなみにデンプシーテール開発裏話シリーズは、本当に興味深い考察が至る所にあります。興味がわいたら是非ともお読みください)


正直マジで紹介したくない手のお話です。

が、こんな過疎地で出し惜しみしても影響はないので、必読してください。

…見ました?


その中の一節

もしかしてバスって、襲う対象物によって攻撃の場所や、バイトの強さを使い分けているのでは??

そして、

「もしかして、バスの食い方をコントロールする事が出来れば、フッキング率を上げることも可能なのでは?」というところです。


そうです。フィッシュイーターというのはルアーに対してバイトしてくる時、

「ルアーのサイズや動きによって食い方を変えてくる」可能性が高いという点。

いやすいません、知ってる方多いと思いますが、一応書きますね。

さらにです。

そういった食い方の変化は、ルアーのスピード、コース、泳ぐタナの違いでも変化してくるという点。


たしかにサカナのやる気1つで、出るバイトが掛かるバイトになるか掛からないか運任せになることも多分にあると思います。


が、アングラー側の工夫で掛けられるバイトにできるなら…


やらない手はありませんよね。


さ~どうするか?


難しいですよ本当に。


①ルアーに頼る


一番簡単かつ確実な方法です。

世の中には「フッキング性能が高いルアー」というのが存在します。

自分の中でパっと出てきた一番解りやすいルアーだと思ってるのが、シーバス用になりますが「imaのサスケ裂波120」です。

最近「このルアー、異様にフックアップ率高いよね」って気づきました。


トレブルフックが3発ついてるから?

いやいや…

「フックアップ率が高いアクションになってるから」なのではないかなと。


サカナがちょうど針掛かりしやすいスピードでバイトしてきてくれるアクションになってるルアー。


そういったルアーというのが確かに存在してるのです。


バスだとクランクベイトにそういった銘柄が多い気がしています。

バズベイトも多いかな。


どういったアクションがそれに該当するのか?というのはまだ解っていません。

けっこう種類はあると思ってます。


が、1つ感じてるのは「タイトアクションよりも少し大きな動き」がヒントかなと。


どうです?こういった視点?

希望わいてきたでしょ★


フックアップ率が高いルアーを選定して使うというのが一番楽だと思っています。

ぜんぜん楽ではありませんが、下記よりは全然楽です。


➁昼間限定、ラインを注視


管理釣り場でトラウトやられてる方は当たり前にやってるかもしれませんが、巻きモノの釣り限定で、ルアーを巻いている最中、ラインが水面に入ってる「接点」を凝視するワザです。


バイトがあったらラインと水中の接点が不自然に動くので、それを目で見てフッキングするというもの。


難易度はかなり高く、また天気や風などで見やすさが変わって、安定的な結果は出にくいですが、コレができるとできないとではかなり差が出る時があります。


③コース、スピード、タナを工夫する


これは本当に難しいですけど、ルアーを極めようとしたら避けては通れない道です。


たとえばの話。

絶対に食ってくるスポットがあるとします。


そこにドンピシャで通すのではなく、10センチ横にずらしたコース、5センチ上のタナ、わずかに速い巻き速度…


そういった「本当に細かな調整」を繰り返していくことで、サカナのバイトを調整していくというやり方です。


そんなショボいことで変化があるの?


信じれませんよね?

だから本当に難しいのです。


検証とその結果がかなり曖昧になるような方法だからです。


それでも、今まで掛からんかったバイトを掛けられるようにするには…

一本でも多くのサカナが釣れるようになるには…


アタシたちアングラーに残された道はこれしかないのですw


さぁ、終わらないルアーフィッシングを極める旅に出ましょう。


分かりにくいのでまとめ


ひたすら「分かりやすさ」が求められているこの時代にこの鬱陶しい文の長さw


だって、アタシのブログ見に来てくれる方ってこういうの好きでしょ?


アタシに対して現場で声をかけていただける方、インスタなどにメッセージくれる方って本当に、マジで「濃い」ですから、それに応えられるように行きますw


  • サカナのバイトは掛けられないのが存在する
  • それを掛けるには
  • ①ルアーを的確に選定する
  • ➁ルアーを通すコース、スピード、タナを想像以上に細かく調整して対応する


こういったことが重要であると。


言っておきます。

①を実現していくだけでも、相応の難しさがあります。

➁を検証していくのはそれこそ何年もかかると思います。

アタシもまだまだ上手くいかない日々です。


釣りが上手くなりたいだけで、こういった地道な努力を続けていけるか?


1人では無理でもみんなでやっていきましょう。


現場でお会いした時は、遠慮なくお声がけくださいね。


こういった話であればいくらでもしますので、本当に楽しい釣りを模索していきましょう。


ちなみに今回、フッキング動作のことについては言及していません。


そういった視点から詰められえる話でもありますので、その話はまたいつか。