以前こことは違うブログに書いた記事で、かなりの方に見ていただいたものがありました。
それが「旧吉野川水系水路群」のバス釣りのことを書いた記事でした。
その当時の記事も詳しいポイントなどは載せていなかったのですが、しばらくの間水路に来られる方の数が増えたような気がしました。
アタシの記事が直接的な人の増加に繋がった。
という自惚れをするつもりはありませんが、その一端になった可能性があるのは事実。
そう思って該当する画像、足を向けさせるかもしれない箇所の文は削除して再投稿していました。
が、このところ改めてネットを検索してみると…
思いっきりポイント紹介系の記事や動画が検索上位に来てるじゃないですか…しかもそのクオリティ(ゴメンね)
アタシが過去に配慮したアレはなんだったのってくらいおもっくそ場所の紹介載ってるし(有名場所だけどね)…
ということで過去の記事を再校し、そういったポイント紹介系の記事とは違った視点、さらにこれを読まれた全ての方が嫌な思いをせずに済む、そんな風に努めて書いてみます。
釣れるポイントとかではなく、注意事項や心がけていただきたいことを中心に。
本当の意味での「アングラー」の方に読んでいただきたい記事。
よろしくお願いします。
釣果は大したことないけど情熱はたっぷり。読んでいただきたい。
ご存知のように旧吉野川での陸っぱりをしようとしたらそれなりの規模がありますので、釣れる場所を探された結果ここにお越しいただいた方もいらっしゃると思います。
が、ちょっと待ってください。
ここは旧吉野川の本当の魅力やローカルのマナーがあって、そういったことをきちんと伝えるのもやらんとアカンかなと思いました。
そしてこの記事を読んだあとには「旧吉野川か…ちょっと行ってみたいな」と思っていただけるような視点で書けたらな~と。
旧吉野川最大の魅力
現在はアカメばっかやってるので一年を通して旧吉野川で過ごすというのはなくなりましたが、通ってた頃の旧吉野川では年間を通してサカナを追って自分がどう動いていくか?ということを意識して釣りをしていましたので、そういた考えは今でも通用すると思っています。
その動きが「産卵期以降~晩秋までは水路系に入ってくるサカナを、晩秋~春までは川の本線にいるサカナを狙う釣り」です。
なぜこうした戦略を取っていたか?
当フィールドで釣りをされている方で下記のようなことを話されてる方は聞いたことがないので、あまり気付いてる方はいらっしゃらないかもしれないのですが、旧吉野川というフィールドは徳島県内でも他とは違う特徴があると感じてるのです。
それが「一時期を除くものの、年間を通してファーストムービング系ルアーでの釣果がきちんと出せる」場所だということ。
はぁ?今の時代に「効率の悪い」巻きの釣り?って思われるかもしれませんが…現在の旧吉野川の真の魅力というのはそこに集約されていて、そんな釣りをしたいがためにアタシは上記のようなサカナの追いかけ方をしていました。
徳島のカリフォルニアデルタ
何をまたワケ分からんことを…と思われた方、ちょいとお待ち。
アメリカはカリフォルニア州にあるフィールド「カリフォルニアデルタ」。
その規模はなんとお隣香川県が全部水路群になったくらいの規模を誇るとんでもないフィールドです。
同じ縮尺で上が四国香川県、下がカリフォルニアデタです。四国随一の大河、吉野川もフツーに見える…
なんなんだこの広さは…
何年も前にデルタで幸運にも釣りをする機会に恵まれたデルタでの釣りは、広大な水路群を縦横無尽に走り回り、そのタイミングごとに釣れるスポットを探していく釣りでした。
カリフォルニアデルタの1ストレッチ。1つの水路でも日本では河川クラスの広さです。
(ちなみにデルタは潮の干満の影響をかなり受けるフィールドです)
デルタの地元で釣りをしてる方は言いました。
「一生かかってもデルタにある全てのスポットを打ち切ることはできないだろう」と。
それくらいのスケールを誇るフィールドです。
それと旧吉野川の釣りになんの関係が?
アタシが旧吉野川を「徳島のデルタ」と呼ぶようになったのは、主に5月~10月くらいまでによく行く「水路群」にそのワケがあります。
これが旧吉野川(大谷水系なども含む)・今切川ほぼ全域の地図です。
両河川の周りにある細かな水路たち。
名前の付いてるストレッチから、誰も気づかないような小さな「ミゾ」まで。
水深は基本的には30cm~2mくらいで透明度は基本的に低めです。
ボートが入れるストレッチは数えるくらいなので基本陸からの釣りになりますが、さて、この全てのストレッチを歩いて打った方ってどれくらいいるでしょう。
アタシは何年もやりましたが多分半分くらいしか打ててないです。
もしこの水路群を1から攻略していくとしたら、どんなルアー・どんな戦略で挑みますか?
水門や流れ込みをランガン?
ライトリグでサイト?
えぇ、戦略としてはアリでしょう。
が、この水路群。誰もが見つけられるようなスポットではなく、驚くようなショボいスポットで連発したりデカいのが釣れるのです。
しかも。この水路群では居ついてるバスも一定数いますが、意外とバスが回遊してる気がするんですよ。
ハイシーズンに毎週末釣りに行ったとしても、毎回サカナが釣れるストレッチが違うなんて頻繁にありました。
この水路群の中からその日のうちに釣れるストレッチ、釣れるスポットを見つけようとしたら…?
- シャロー
- 透明度は低め
- 陸からだと1日では攻めきれない規模
そうです。
こんな場所でファーストムービングルアー、いわゆる巻きモノをやらないなんてもったいなすぎません?
カリフォルニアデルアとはさすがに規模が違いますが、あそこや琵琶湖と似た釣りができる。
しかも陸からの釣りで、戦略的に巻きモノを使ったゲームがきちんと組み立てられる。
こんなフィールドはなかなかない…と思うのです。
「バスフィッシング」ができるフィールド
琵琶湖の凄腕ガイドである「サトシンプロ・佐藤信治さん」
この方がよくおっしゃってる「バス釣りじゃなくてバスフィッシングがしたい」という言葉があります。
この違い分かりますでしょうか?
バスフィッシングというニュアンスは、広大なエリアからその時、自分のやってる釣りに反応してくれるバスを探していく「スケールの大きなゲーム」ということです。多分。
日本的なバス釣りを否定するわけではありません。
が、アメリカ的な「バスフィッシング」というのも、実際にやってみると本当に楽しいものです。
長年バスをやってると痛感しますが「バス釣り」をしてる方というのは、往々にしていつかは釣り場からいなくなります。
「飽きる」んですよね、そういう釣りは。
ゴメン、書いちゃうけどね、いつでもサイトやプロの方の真似事ばっかりじゃ飽きるよいつか。
実際に昔アタシがそんな感じの釣りしてそうなったからね。
今、日本全国でこうした「バスフィッシング」ができるフィールドというのはどれくらいあるでしょう?
しかも陸っぱりで。
徳島県にはここしかないのでは?いや、ここしかないって言い切れます。
そのことに気づいてからというもの、ハイシーズンの週末はひたすら通う日々が続きました。
1日15,000歩を稼ぐ釣り
旧吉野川水系水路群で釣りをする時は、夜明けから夕方まできっちりやって、1日15,000歩を歩く釣りをしていました。
最低でも8,000歩(半日)、最高18,000歩くらい。
当然、使うルアーはほとんどが各種巻きモノ。
スピニングタックルなんて持っていくのもダルい。ベイトで打ち系の釣りすらやらん。
ってか、やらなくてもサカナ釣れるし。
ひったすら歩きながら目の前に現れるスポットを打っていく釣りで、その日によって釣れるストレッチは違い、当たりルアーも違います。
サカナが溜まる場所を探しながら当たりルアーも探っていく。
バイトの多い日は巻きモノだけで20バイト以上獲れます。
ルアーの選択やフッキングどヘタなので全然掛けれないですが。
歩きすぎて1日が終わる頃はクタクタになります。
が、ルアーへの知識、キャスト精度、ルアーを通すコースの大切さ、巻くことの奥深さ、フッキングの難しさ、サカナの動き…
多分現在主流となってるバス釣りとはまた違った経験ができます。
ライトリグを軽んじるつもりはありませんが、巻きモノの釣りで得られる経験値ってバカにできません。
ファーストムービングルアーは誰が使っても情報を集めるチカラ、速さが段違いなのです。
釣りが終わった後の心地よい疲労感や、旧吉野川の周りの環境の素晴らしさ。
この地域に住む方々の温かさ。
色んな思い出ができる釣りです。
アタシはこういった釣りを本当にいいものだと思うようになりました。
このフィールドに訪れる際には、是非ともルアーフィッシング本来の「その瞬間のサカナを探す楽しみ」というものをやっていただけたらなと思っています。
現在はスマホを開くとかなり詳細な地図、航空写真を無料で見ることができます。
宝探しのように、網の目のように広がる水路系の地図を見て、実際に現場で歩いて「釣れそうなストレッチやスポットを探していく」というのは本当に楽しいことだと思っています。
そしてそこから実際にサカナとの出会いを可能にしてくれるのは、各々が自信を持って投げられるルアーたち。
頭上いっぱいに広がる目が眩む青空の下で吹き抜ける風を体で感じながら、琵琶湖のような広大さはないけど、人1人の足で攻略するには少し広めのフィールドで「記憶に残る小さな冒険」を楽しんでいただければと思うのです。
釣れるスポット、釣れるルアーは探してみてください
ここまで読んでいただいてもすいませんが、秘密のスポットや爆釣ルアーは出てきません。
それはこれから旧吉野川で釣りをされる皆さまに見つけていただきたいのです。
確かに季節ごとに釣りやすいストレッチ、スポット。当たりルアーというのは自分の中では存在します。
が、ここまで読んでいただけた方にはそれを話すことは「無粋」でしょう。
あえて話すならば、3月~9月の間、旧吉野川本線は「三湛二落(さんたんにらく)」というこの川独特の治水方法を採っていていて、水位変化がそれなりにあります。
その水位変化に旧吉野川水系水路群も影響を受けており、水位によって釣れる場所がかなり変わります。
その要素は無視できないものなので、水位変化に対しては常に注意を払ってください。
あ、あと水温はかなり気にしてました。
常に水路のストレッチごとに水温計ったりしてたし、水温ごとに確実に効くルアーは変わっていったので、水温も気にしてみると「バスフィッシング」の楽しさが増すかもっす。
タックルはどんなのがいい?
アタシがハイシーズンによく行ってた水路群は、幅が10m以内の細い場所ばかりです。
なので優先すべきはキャスト精度。
アタシがハイシーズンの旧吉野川水路系でメインに使ってるタックル。
ロッドは低弾性の6フィートのショートロッド、ラインはナイロン20ポンドです。
アメリカーンですよね。
特に20ポンドナイロンを多用するのは、今の時代の釣りではマイノリティかもしれません。
「アメリカンな俺かっこいい」って思ってるからではありません。
フロロではなくナイロンの理由。
「ルアーを潜らせすぎず、爽快な使用感」これを重視しているためです。
ひたすら歩いて打ち続ける釣り、しかも狙うバスはある程度の活性の高さがあること。
シーバスやってる方はお分かりになると思いますが、活性高いサカナを釣るのは「浮かせて釣れ」なのです。
フロロだとルアーが潜りすぎる。ラインの重さが気になって巻くのが遅くなる。
巻きの釣りではナイロンラインが有利な場面が確実にあるのです。
ある程度の太さである理由は?
「細いラインは管理がシビア」だから。
1日歩き続ける釣りで、頻繁なラインチェックと結び直しをしないといけないのはかなりのストレスです。
また、そうした頻繁なライン管理は釣りのリズムを崩すことが少なくないのです。
釣りのリズム維持は巻きの釣りにおいて相当大事で、こういったことも長期にわたって巻きモノの釣りをしていかないと解らないことになります。
最適なロッドは?
こういったバス以外のサカナが来ることも想定しておく必要があります。
アタシは上記の低弾性6フィートのMLクラス。
ノースフォークコンポジットというアメリカのブランクを使ったカスタムロッドです。
(ゴメン、これはちょっと自慢)
しなやかでいて、感度よし、軽さよし、トルク感すごいというとんでもロッド。
背負えるルアー重量表記は3/4ozまでなのにジョイクロが投げられるというバカパワー。
水路群にはデカい雷魚やコイもいて、そんなサカナに負けないだけのロッドパワーが必要です。
水路のコイはルアー食ってくるからね…
ってか、トルク感の薄いロッドはバスのランディングに手こずるのが面倒くさいんですよね。
言葉は悪いですが、この辺のバス相手ぐらいにいっぱいいっぱいになるようなロッドは要らんです。
釣りのリズムが悪くなって仕方ないですからね。
日本メーカーのロッドでも全然いいですけど、トルク感だけは重要視しましょう。
リールはなんでもいいっす。20ポンドラインが50mも巻けたら大丈夫です。あとはご自身の好きなリールで。
巻きの釣りでリールのギア比が思う以上に大切だと気付くこともあると思いますので、そうなった時はいい塩梅のギア比のリールをどうぞ。
アタシは水路系で使うリールはハンドル1回転60センチ半ば巻き取りの「ノーマルギア」でしたね。
ルアーは?
好きなのを使ってください。
明らかに釣れるルアーはありますが、自分が好きなのでいいです。
この釣りをやり続けていくと、どのルアーが本当に釣れるのか?人に人気のルアーとサカナに人気なルアーは全然違うってのがよく解ってきて、あ~、有名メーカーさんの口車に乗せられてたんだなぁというのが丸分かりになります。
が、現在のバスフィッシングのスタートはそこからだと思ってますよ。
参考までに書くと、特にトップ系は総じて効きやすい状況が多いです。
晩秋~冬は旧吉野川本線でスイムベイト
この数年は冬になると出没しています。
スイムベイトぶら下げてブラブラ歩いてますので、お会いしたら気軽にお声がけください。
きちんとしたアングラーの方であれば、精いっぱいお話させていただきます。
釣果よりもこれが一番大事、マナーです
旧吉野川本線で釣りをしようと水路系で釣りだろうと、絶対に守っていただきたい所です。
これはアタシ自身への自戒も兼ねて。
徳島という田舎を流れる旧吉野川沿いでも、沢山の人が暮らしています。
川沿いで仕事をされている人、散歩されている人。
色んな人が色んなことをしています。
すれ違ったらご挨拶。
他の方に迷惑が掛かるような場所への駐車は避ける。
ゴミのポイ捨て。
立ち入り禁止場所への侵入など。
昔からそのフィールドで釣りをしている方へのリスペクト。
少しの戒めでできることばかりです。
近年に多くの人が訪れるようになった他県フィールドでは、近隣の住民からの要望で釣りを自粛して欲しい、と言われた場所もどんどん増えてきてるようです。
残念ながら野池は釣りができなくなる事例が当たり前のように発生してますが、私有地でない河川でもそうしたことが起こってるようです。
ひとりひとりの姿勢が未来を決めます。どうかよろしくお願いいたします。
そして、こういった行為を勧めるワケではないですが、旧吉沿いで仕事されてる方々は本当にいい人が多いです。
挨拶がてらに話し込んでたら「レンコン(その他野菜)やるから持って帰れ」って渡されたことは2度3度ではありません。
いいですよねこういうの。年を取ってから良く感じるようになってきました。
いつまでも旧吉野川で釣りができるように
今回も長々と書きたぎりました。
ここまで読んでいただける方がいらっしゃるか分かりませんが、とりあえずお礼の言葉を。
ありがとうございます。
さーせん、だいぶウザいのは分かってます。
けど一人くらいはこんなのがいても許してくれるのではないのかと。許してちょうだい…
とまぁ色んなフィールドで釣りをしてきましたが、旧吉野川って所は普段釣りのメディアで見る以上に魅力にあふれた場所です。
ハッキリ言いまして、今まで各種メディアで拝見してきた記事や動画などではこの川の魅力は全然伝わってないです。
当たり前ですよね。地元のローカルに根付いた訳でもない方が作られているモノなんで、本当の良さなんて分かるはずがないのです。
こういった本当の魅力というのは、地元ローカルが発信すべきなのです。
ぜひとも体験してみてください。
大げさなこと言ってますが、あながち盛り過ぎでもないと思っていただけるかもしれませんので。