バスフィッシングにおけるナイロンラインの重要性



現在バスフィッシングを楽しまれている方で「ナイロンラインがなかったらムリ!!」ってな方はどのくらいいらっしゃるでしょう?


従来のナイロンラインのイメージといえば「初心者が使う糸」ってな側面もあったと思います。

ナイロンラインの必要性すら感じてない方は多いかもしれません。


ホントにそうなの?


ナイロンラインを使いこなすことで確実に獲れるバスの数や、獲れる状況は増えます。


特にバスのハイシーズン、5~10月のシャローでの巻きモノの釣りに関して

「ナイロンラインがなかったら釣りにならん!!」

というくらいアタシはナイロンラインが必要です。


他のライン、特にフロロカーボンラインと比べてナイロンはどうなのか?


自分なりの見解をご紹介します。



フロロカーボンラインが主流な理由


現在の釣りでは、なぜナイロンラインが主流ではなくフロロカーボンライン

なのか?


それは「ソフトベイト(ワーム)の釣りとの相性」これに尽きるからと思うのです。


あと、バスフィッシングの情報源としては日本随一な琵琶湖の釣り。

今の琵琶湖でも、やはりウィード(グラス)を釣っていくことが多いと思うので、基本的にフロロカーボンラインとの相性が良く、そんな情報を見た方が他の場所でもフロロを使うという流れもあると思います。


それともう一つは「根ズレに強いから」という理由もかなり重要かと思っています。


有名なプロが勧めているから…とかいうのは一旦忘れてください。


フロロとワームの相性


それはラインが沈みやすく、ラインが重いから底付近でリグを操作することが多いワームの釣りとの相性がいいのです。


加えて誰もが知ってますが、ナイロンと比べてフロロの方が伸びにくいために、水中の情報を手元に伝えてくれやすい特性もあります。


試しに比較的リグの重量が軽めのワームのセッティングで、ナイロンラインを使って操作してみてください。


手元に伝わってくる情報は、フロロと比べて「フワフワスカスカモッサモサ」な感じになると思います。

ボトムを感じる感覚、シェイク時にラインを軽く張った時のモッサリ感。

まぁやってられません。


例外を言えば、琵琶湖の特に北で陸をやられてる猛者の方はあえてナイロンを使う流派がありますが、基本的にこういった経緯からナイロンラインというのは主流ではない気がしています。


日本では大多数派な釣りとなってるワームの釣りをやることで、それを経て経験したフロロカーボンラインの「良好な操作感」をそのまま巻きモノの釣りにも使う…


これが現在のラインの選択方法ではないでしょうか?


ナイロンラインの凄さを知った釣り


アタシも上記のように巻きモノでもフロロラインを使っていまして、使用感は「トップウォータープラグ以外なら全然使えるな」と。

で、トップを使う時はライトクラスのロッドにPEラインをセットした専用タックルを使って対応していました。


転機は自身の釣りのスタイルを「巻きモノ主体の釣り」に変え始めてから通うようになった旧吉野川水系水路群での釣りです。


アタシの旧吉野川水系水路群の釣りがどんなものかってのはここを見てね。


個々での釣りは、ハイシーズン(5月~10月)に、旧吉野川の周りの田園地帯を網の目のように広がる水路群を、自分の足でひたすら歩きながらバスが釣れるスポットを「探していく」釣りで、距離にして1日で10キロくらいは歩いて探っていくために、自ずと展開の速い巻き系の釣りに傾倒していきました。


ナイロンラインとシャロー用プラグとの相性


この釣りで試しにナイロンラインを使うようになってまず感じたことがありました。


それは「ルアーが泳ぐタナをフロロよりも浅くできる」です。


理屈では皆さん知ってるでしょう。

が、実際に現場で使うとその違いは明白でした。


ハイシーズンの水路系の釣りというのは、比較的活性の高い、巻きモノでもきちんと反応させられるバスが相手になります。


そういったバスというのは基本的に「浮かせて食わせる」のが鉄則なのです。


先に書いたナイロンラインの特性である「ルアーを潜らせすぎない」というのはこの浮かせて食わせるのにかなりの相性を見せてくれます。


例えばフロロ14ポンドで使うと、30~40センチ少々潜るクランク。


ナイロン20ポンドになれば20センチくらいしか潜らなくなります。


たかが10センチほどのタナの違いと侮るなかれ。全く違うから。


あと、リールを巻く感覚がとっても「軽快」になります。

これはルアーが必要以上に潜らないからだけではなく、ラインの比重が軽いからとっても巻きやすくなるのです。

これにより釣りのリズムの維持にはてきめんに効きました。


ある時、思いついてフロロの使用感を再度確認してみようと思い、フロロに巻き替えて旧吉水路を歩いてみたら…


フロロラインを巻き取る感覚が重すぎてリズムが全く作れなくて撃沈した、ということがありました。


シャローの巻きの釣りでのフロロとナイロンの差は、解ってくるとこれほどまで違いがあるのです。

いや違うな。巻きの釣りというのも他の釣りと同じくここまで繊細なモノで、ナイロンラインは巻きの釣りではかなりのアドバンテージになってくれるのです。


シャローで巻きの釣りをしない人には必要ない

です。

そういった釣りをされない方には特に上記のメリットはないのです。


が、巻きの釣りをやり込みたい!!という方にはもってこいのラインがナイロンラインです。


ボトムを釣らないならナイロン


例えば旧吉野川水系でサカナが浮きにくくなってくる時期がだいたい10月中頃以降で、水温でいえば14℃が目安になります。


ハイシーズンにやっている「浮かせて食わせる釣り」がこの時期になると明確に効きにくくなってきて、ルアーのタナをボトム付近まで下げるとまた食ってくれるようになるのですが、そうなるとナイロンラインの軽快感のメリットは薄れ、フロロラインのどっしりとした巻き感が釣れるようになってきます。


イチオシのナイロンは超無名品


見たことないでしょう笑


アタシの愛用ナイロンはこれ、怪しさ満点の「レグロン パワーNYナイロン アパッチ」です。


日本のバスではマイノリティなナイロンラインの中でも、まだかろうじて知名度があるのは、現在はクルマ好きには馴染みのある名前のラインや、琵琶湖系超有名メーカーのラインでしょう。


なぜアタシがそういったのモノを使わず、この超無名な銘柄を使うのか?


ラインはバランス


しなやかすぎるのも硬すぎるのも、伸びすぎるのも伸びなさすぎるのも、時としてそういったラインの特徴は「煩わしさ」に繋がりかねません。


ラインは徹底した黒子であって欲しいのです。


無個性でいい。とにかく釣りの邪魔をしないラインであってほしい。

究極のフツーなライン。それがアタシの好みなのです。


切れにくさ、伸び具合、癖の付きにくさ、劣化具合、結束のしやすさ。全てにおいてこちらが想定したイメージ通りに使える。

あとはコスパも大事。


フロロはシーガーのR-18フロロリミテッド。

PEはよつあみのアップグレード。

そしてナイロンはコレ。


決して奇をてらったものではなく、高次元でバランスしているシーガーのフロロやよつあみのPEレベルで評価されるべきラインなのですが。


ま、このラインの評価は一旦置いておきますが、バスにおけるナイロンラインというのは、その特性を理解すればかなりのアドバンテージになってくれる存在です。


特性を活かしたセッティングを


「ナイロンラインを見直そう!!」みたいなのは大嫌いです。


ラインも道具の一部で、使う状況によってはフロロよりもナイロンがいいよ。っていう「当たり前」なことを書いただけです。


例えば琵琶湖のサトシンさんが言う「バスフィッシング」ではなく「バス釣り」をされてる方であれば、アタシ的にはナイロンラインは必要ないと思います。


バスフィッシングという釣りをきちんとやっていくのであれば、ナイロンラインというのは非常に使える状況がある。というのを覚えていただければ幸いです。


余談


ま、突っこんだ話を少ししてお開きとしましょうか。


琵琶湖系のやり込まれてる方はご存じでしょうけど。

ナイロンラインってね「釣れる」んですよね、単純に。

その特性上ラインの存在を消しやすいし、ルアーをナマモノに化けさせやすい。


フロロはライン張ったら食わんくてもナイロンは食うってのがあります。多分。


余談ですけどね。やり込んでいくならこういった考察は大事です。


前から言ってますが、ルアーフィッシングにおいて一番大事なのは「針と糸」です。


皆さまの釣りが実りあるものになりますよう。