アタシがティップランをやっていたのは2010年~2015年くらいまででした。
その中でのティップラン記録はツレの父ちゃんの船に乗せてもらって2人で半日やって50キロ以上というのが一度だけありました( 800g平均で70杯くらい )。
当時、周りでティップランをやっていた船はあまりおらず、けっこうやりたい放題できたおかげで経験年数が短かった割にはそれなりに経験を積むことができました。
この記事は乗合船での釣りではなく、自分たちで船を操船して釣れるやり方を見つけていくことへの考察で、ティップランに入れ込んだ年数は数年間ですが経験はそれなりにしたのではと思いますので皆さまの参考になればと。
まず初めにこれほどまでに楽しいティップランというメソッドを発案してくれた方への感謝を述べておきます。
- とにかく潮通しとブレイクが絡むハードボトム
- 起伏がキツい底や漁礁は避けたほうがいい
- ベイトフィッシュの存在はあまり気にしなくていい
- ポイント一ヶ所における絞り込みは15分まで
- 水深は20m前後がベスト
- 水温は16~28℃あれば釣れます
とにかく走り回る覚悟をしましょう
自分で船を操船して沖に出て経験がある方ならきっと多くの方が思ったことでしょう。
「どこで何したら釣れるんや…途方に暮れるやん…」と。
アタシもそんな心細い経験を何度も繰り返して下手でもどうにか釣れるようになってきたので、ご心配なく。
あきらめずにやり続けていればいつか釣れます。
オフショアにおいて慣れてない時によく陥ってしまうのが、釣れる場所が分からずにただただ広大なフィールドを前にして動けなくなってしまうことです。
まずはアタリがあるスポットを見つけるまでひたすら走り回るというのを徹底してください。
このご時世、燃料代は大変痛いですが、それでも燃料代のこととか気にしてたらアカンですよ。
燃やした燃料はいつか必ず形を変えてリターンしますので。
場所はどんなところがいいの?
潮がさらさらと流れる場所。次にハードボトム。本当にまずはコレ。
潮がさらさら…
ダラダラでもイマイチだし、「川のように」はかなり難しいので論外。
ダラダラな潮でサカナがあんまり釣れないのはお分かりかと思いますが、流れすぎるのもアウト。
当時のティップランは基本的に船をドテラで流すのが基本でしたので、潮が飛びすぎてたら釣りにならんからね。当たり前です。
潮目を探すのは悪くないです。
潮目って河口とか以外では底の地形に沿ってできることが意外と多く(考えてみりゃ当たり前なんだけどね)、潮目が蛇行してる場所なんて底に変化があることが意外とあります。
例外も死ぬほどあるけど。
何はなくてもハードボトム。
乗る船にGPS魚探がついてればいいんですが、なければ想像力をフルに使ってどうにかしてください。
GPS魚探が着いていれば、地形に変化があるような場所、海底が山みたいになった場所やブレイク(かけあがり)を探す。
海面からシモリ(磯)が見えてるところもいいけど座礁に注意ですよ。
とにかく一番に気にしたいのは潮通しとブレイクが絡むハードボトム。これだけです。
ま、潮通しがいい場所の海底は通常ならハードボトムになってるのでとにかく潮がさらさらと通すところです。
そして、ティップランをするうえで一番やりやすいのは海底が山のようになってる場所です。
汚い絵でさーせん…
こういった場所を探していきましょう。
起伏がキツイ地形や漁礁はどうなの?
はい、漁礁は釣れないことはないですが、ティップランという釣りの特性上、根掛かりのリスクがあるので、漁礁やあまりにもキツイ起伏は避けたほうがいいです。
そしてアオリイカって漁礁や激しい起伏を特に好むという感じもしません。
意外とゆるやかなブレイクで全然イケる。
さらに「海は広い」
自船が他の船や座礁などの釣り以外の心配をあまりしなくて大丈夫そうな、流しやすくて潮も良く通す場所を優先して選びましょう。
魚探にベイトフィッシュなどの反応があったほうがいい?
ベイトフィッシュの反応はあるに越したことないですが、アオリイカに限って言えばベイトフィッシュの存在はある程度無視して構いません。
ティップラン以外のイカ釣りは知りませんけど、ティップランはそれよりも潮が通す場所を探すことが絶対です。
言い切ります。
なぜか?潜って見たワケではないので確証はないですが、アオリイカって思ったよりも回遊してるような気がするんですよねぇ。
青物のように回りまくってるっていうのではないですが、頻繁な移動とステイを繰り返してると思う。
そしてベイトフィッシュがいるということは、他の強いサカナもいる可能性があります。
他の強いサカナがいるところってアオリイカはめっちゃ好きではない気がしますね。混泳はしてると思いますが。
普段は海底付近でステイしてて、時合いになると底から浮き上がってエサが泳いでくるのを待ってる。
そして周りにエサがいなければ小回遊してエサの近くまで移動してる。
そんな感じなので、潮が通してるエリアを選んでるというだけでベイトフィッシュが移動してきたり、そこに存在してる可能性が一定数あるため、ベイトフィッシュよりも潮の流れを気にしていたら、あとはイカの活性が上がってるスポットにいつかたどり着くと思ってます。
場所の選定の第一歩はこのくらいにしておきます。
次に大まかな場所の選定はできたとして、ここからどうやってイカにたどり着いていくかです。
ポイントを絞り込む時間は超大事
先に書いたような場所が見つかったら、とりあえず風で船が流れるなら風上から、潮に流されるなら潮上に船を持っていき、水深が変わり始めるところから海底の山の頂上に向かい、頂上から水深が一番深くなるところまで流していきます。
ここで注意、あまり大きな山(ポイント)だとイカのストック量は多いですが、ポイントの絞り込みに時間が掛かるので、ひと流しが10~15分くらいで山の登り始めから頂上まで流れて、そこから降りきったところまで行ける規模がいいですね。
なぜ時間を区切ったか?
ティップランにおいて、一ヶ所のスポットでアオリイカが釣れる時間(時合い)は経験的に早くて10分、普通は30分、長くても1時間くらいしか続きません。
スレるのかいなくなるのかは分かりませんが、アタシは30分経てば潮の流れが何かしら変わっていくからイカのポジションも変わると考えてます。
そしてこれも重要。
ティップランでは思ったより狭い範囲で連発することがかなり多いです。
それこそ直径10mもないくらいのスポットで何回も当たってくるとかザラです。
そんなスポットを広い海の中から探すのは簡単じゃありません。
だからこそ釣れるスポットを絞り込んでいく時間は速いほうがいいのです。
理想的には水深15~20mくらいで、ポイントの広さは10分以内でひと流しできる程度がベストですね。
水深が深くなるほど、落とす、巻きあげるの手返しが悪くなるし、(当時使ってた)市販のティップラン用ロッドはトルク感がないのが多く、深い場所からイカを上げてくるのがダルイので、できたら浅いほうが楽しいです。
潮の速さがどのくらいがいいかは乗る船によって違います。
例えば40フィートくらいの漁船なら釣りがしやすいので、船が流れやすい状況でもそれなりに大丈夫だけど小さな船はそうはいかん。
なので分かりやすい目安としては流されている時にGPS魚探に表示されるノット数ではなく、エギの沈下速度、例えばスクイッドシーカー(古い銘柄でゴメンね)30gで水深20mだと23秒くらいな感じがちょうどいい感じでした。
これはエリアの差とかもある気がするし、経験を積んで自分なりの速さを確かめるしかないかなぁ…
ちなみに20フィート少々くらいの小型船はシーアンカーあったほうがいいです。
風に流される速度を少し抑えることができたり、わずかでも船が安定するからです。
シーアンカーがなければバケツをロープで括って流すだけでも効果はありますよ。
次は水温や水潮いっときますか
水温は16℃~28℃までなら普通に釣れます。
アタシがやってた徳島のエリアだと、強烈に爆発するのは毎年18℃を切ったタイミングで、時期でいえば10月下旬~11月アタマくらいでした。
が、ここ数年は秋の水温低下の感じが変わってきて読みにくいですので参考程度に。
ただ、水温18~17℃台はかなり釣りやすかった記憶があります。
デカいのはやっぱり初冬以降ですけど、ティップランの醍醐味は「連発」だと思ってるので水温23~17℃くらいの時期が好きでしたね。
ちなみに水潮はあまり気にしませんでしたね。
といいうのも、船で沖に出ると水潮が流れるタナって深くても水面から5mくらいまででした。
アタシが行ってたフィールドは。
ティップランの基本的な水深は15m以上。
魚探の反応で分かりますが、水潮が水深15mのボトムまで入ることはありませんでした。
さすがに大河川の河口すぐとかはアカンでしょうけど。
水潮が気になる方は魚探見てみてくださいね。
水潮と海水の境目にラインというかノイズというかが入るので分かります。
これくらいがティップランにおけるポイントの大まかな見つけ方などです。
ティップランはとにかく走り回って釣れる場所を探してくかなり攻撃的な釣り。
それだけは忘れずにいていただきたいです。
う~ん、まだしっくりこないな…
結構当たり前のことしか書いてないやん。と思った方。
分かりました。
それでは後編をお読みください。